外国語を上達させるためには、間違いを恐れないこと!
中級レベルになると誤りが増える
外国語のレベルを初級、中級、上級と分けたときには、どの段階で文法の誤り(間違い: error)が多いでしょうか。一般的イメージでは、初級の時期に誤りが最も多く、レベルが上がるにつれて徐々に減ると思われるかもしれません。しかし実は、中級の誤りが最も多いと言われています。初級レベルは習った通りの定型的な言い方しかしないため、誤りは目立ちません。一方、中級は習った文法表現と自分の言いたいことを結びつけ始める時期です。その時、文法形式と表現したい内容との間にギャップが生じ、誤りがぐっと多くなります。その後、徐々に誤りが減っていきます。このように、文法の正確さはU字カーブを描くと言われます。中級はトライアンドエラーの時期なのです。誤りの多さにめげずに、今は成長するための踏み込みの時期だと捉え直せば辛い時期を乗り切れるかもしれません。
さまざまな状況を想定したタスクで練習
外国のレストランでの注文の場面は旅行会話集でも定番です。レストランでの注文が楽々できる外国語能力だとして、それでは、次の場合はどうでしょう。同じレストランで注文したものとは違う料理が来ました。あなたはクレームを言って取り替えてもらうことができますか。「レストラン」という一貫した場面でも、想定内の場面に比べて、トラブルや非日常的場面ではタスク(問題解決)の難易度が上がると言われています。状況を変えたさまざまな場面を想定して、そこでうまく言語使用ができるかどうかシミュレーションすることで、外国語を使って達成できることが増えます。
居心地の良さよりもチャンスを増やそう
留学先の現地コミュニティで、その一員として活動することは外国語の能力を高めるきっかけになります。ネイティブスピーカーのコミュニティでなくても、留学生同士が共通して使える言語で話をするのも、お互いを理解するための良い経験になるでしょう。外国語を使って生活するのは大変ですが、言語能力を伸ばすことにつながりますし、世界中に仲間も増やす良い経験になるはずです。
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先生情報 / 大学情報
県立広島大学 大学教育実践センター/国際交流センター 准教授 中石 ゆうこ 先生
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