講義No.10453 外国語学

外国語を上達させるためには、間違いを恐れないこと!

外国語を上達させるためには、間違いを恐れないこと!

中級レベルになると誤りが増える

外国語のレベルを初級、中級、上級と分けたときには、どの段階で文法の誤り(間違い: error)が多いでしょうか。一般的イメージでは、初級の時期に誤りが最も多く、レベルが上がるにつれて徐々に減ると思われるかもしれません。しかし実は、中級の誤りが最も多いと言われています。初級レベルは習った通りの定型的な言い方しかしないため、誤りは目立ちません。一方、中級は習った文法表現と自分の言いたいことを結びつけ始める時期です。その時、文法形式と表現したい内容との間にギャップが生じ、誤りがぐっと多くなります。その後、徐々に誤りが減っていきます。このように、文法の正確さはU字カーブを描くと言われます。中級はトライアンドエラーの時期なのです。誤りの多さにめげずに、今は成長するための踏み込みの時期だと捉え直せば辛い時期を乗り切れるかもしれません。

さまざまな状況を想定したタスクで練習

外国のレストランでの注文の場面は旅行会話集でも定番です。レストランでの注文が楽々できる外国語能力だとして、それでは、次の場合はどうでしょう。同じレストランで注文したものとは違う料理が来ました。あなたはクレームを言って取り替えてもらうことができますか。「レストラン」という一貫した場面でも、想定内の場面に比べて、トラブルや非日常的場面ではタスク(問題解決)の難易度が上がると言われています。状況を変えたさまざまな場面を想定して、そこでうまく言語使用ができるかどうかシミュレーションすることで、外国語を使って達成できることが増えます。

居心地の良さよりもチャンスを増やそう

留学先の現地コミュニティで、その一員として活動することは外国語の能力を高めるきっかけになります。ネイティブスピーカーのコミュニティでなくても、留学生同士が共通して使える言語で話をするのも、お互いを理解するための良い経験になるでしょう。外国語を使って生活するのは大変ですが、言語能力を伸ばすことにつながりますし、世界中に仲間も増やす良い経験になるはずです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

県立広島大学 大学教育実践センター/国際交流センター  准教授 中石 ゆうこ 先生

県立広島大学 大学教育実践センター/国際交流センター 准教授 中石 ゆうこ 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

応用言語学、日本語文法、日本語教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

外国語を習得する場合には、誤り(間違い)を過度に恐れないことが大切です。言語習得において、誤りは成長のバロメータです。留学先だけでなく、日本国内の街中でも、外国語を使う機会が増えてきました。外国語を使って間違える、うまく伝わらないという経験は恥ずかしいと思うかもしれませんが、その経験は、誤りを修正して上達に向かう絶好のチャンスです。外国語を学ぶことで、あなたの世界が確実に広がります。ぜひ、いろいろな外国語の習得に挑戦してください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

県立広島大学に関心を持ったあなたは

県立広島大学は、教育、研究、地域貢献、国際交流のいずれにおいても公立大学として一級の大学になっています。「主体的に考え、行動し、地域社会で活躍できる実践力のある人材の育成」を目標に、教養教育では、大学4年間の学士課程教育を通じて実施する「全学共通教育科目」を設定するとともに、専門教育においては、教養教育との連携を図りながら、「専門科目」を系統的に設定することにより、バランスのとれた教育内容を提供していきます。