上海のありのままの姿を知るためには
上海で中国100年の歴史を知る
「中国5000年の歴史を知りたければ西安(長安)に、500年の歴史を知りたければ北京に、100年の歴史を知りたければ上海に行け」という言葉があります。港町である上海は、西洋文化の入口で、中国の近代化を象徴する都市なのです。実際に中国国内で、ラジオ放送や新聞、デパート、レコード盤など、上海が発祥の地という文化は数知れないほどあります。このような文化を研究すると、当時の政治や経済の状況と深く結びついていることがわかるのです。
中国の市民の暮らしを象徴する雑誌
近代中国における政治的に重要な人物の動きは、歴史的な記録もあり、よく知られていますが、一般市民の普通の暮らしは他国になかなか伝わってきませんでした。当時の一般市民が何に関心を持っていたかを示す貴重な資料があります。それは雑誌です。1926~45年まで発行された『良友』という画報(雑誌)は、映画スターが表紙になり、話題の娯楽や、ヘアスタイル、ファッションなどについて特集されています。西洋文化が流入してくるなかで、普通に暮らしている人々が憧れ、欲しがっていたものが手に取るようにわかります。これも、ありのままの中国の姿なのです。
開かれる「竹のカーテン」
日本人に中国のイメージを調査すると「自転車が多い」「トイレが汚い」「人民服」など、古くマイナスなイメージを挙げられることが多いです。否定はできないですが、今は中国人の生活や意識もずいぶんと変化しています。また、中国でも一般市民の世論を数値化して明らかにできるようになりました。『中国生活者トレンドデータ年報2013』では、中国人女性の使用している化粧品や好きな化粧品メーカー、スポーツジムの利用状況などのデータを見ることができます。「竹のカーテン(東アジアにおける共産主義と資本主義の境界線)」に隠されていた中国の実態が見えてきたとき、中国が身近に感じられることでしょう。
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