医療の現場で活躍できるソーシャルワーカーになるためには
ソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーとは、さまざまな生活上の困難を抱えている人たちに対し、相談援助により支援を行う専門職で、そのための国家資格が「社会福祉士」です。
ソーシャルワーカーは社会福祉施設・機関だけでなく、病院など医療の現場でも活躍しています。現在、多くの病院にソーシャルワーカーが配属されており、病気を抱える人たちとその家族のために、今後の生活支援などを行っています。近年特に、病院での相談援助の必要性が高くなっており、医療の現場で活躍できるソーシャルワーカーを養成することは、社会福祉学の大きな課題です。
ほかの医療職との教育のちがい
社会福祉士の働く場所は、多様です。そのため養成課程では、高齢者や障がい者、子どもなどに関する各論や、社会福祉の方法論などを幅広く学び、相談援助の実習を行います。社会福祉施設・機関に就職した場合は、社会福祉専門職とともに働く中で、その施設・機関での相談援助に必要な法制度や福祉サービスの詳細な知識、面接技術などを、実務を通して身につけていくことができます。しかし、医療の現場では医師や看護師、理学療法士など医療職の中で、就職したときから実践的な能力を求められます。そのため、特に新人のうちは医療に関連する知識など多くのことを学ばなければなりません。
実践力を高めるために
従来の養成課程にどれだけ実践的な能力を磨く課程を加えられるかが、ソーシャルワーカー養成における課題です。医療の現場で必要な病気についての知識を十分得られるようにすること、また、実習の際に、「見る」だけでなく、学生自らが面接を行ったり、支援計画を作成するなど実践する機会を増やすことも大切です。
令和3年度からは社会福祉士の実習が180時間から240時間に増えることが決まりました。医療現場にスムーズに適応し、活躍するための能力を養成するには、さらなる教育・養成方法の改善と検証が不可欠といえるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
県立広島大学 保健福祉学部 保健福祉学科 人間福祉学コース 准教授 永野 なおみ 先生
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