知らない間に、あなたもサイバー攻撃に加担しているかも
サイバー攻撃とは何か
サイバー攻撃とは、サーバとして使われているコンピュータに対して、インターネットを通じて攻撃することです。攻撃と言っても不正なことをするわけではありません。一度に大量アクセスすることで、サーバをダウンさせ、つながりにくくします。攻撃する側はほとんどコストがかかりませんが、攻撃される側は防御のために費用がかかるほか、サービスを提供できなくなったり、売り上げの機会を失ったりします。
一般のパソコンやIoT機器が加担している
この攻撃に加担しているのは、一般のパソコンやパソコンを内蔵したIoT機器です。攻撃側は、これらの端末に侵入して同時にサーバにアクセスするように制御するのです。特に、最近増えてきた監視カメラやスマート家電といったIoT機器は、セキュリティが甘いため簡単に侵入され、知らないうちに加害者になっています。
一方、攻撃を受ける側は、単なるアクセス増加なのか攻撃なのか判断しづらい面があります。最近はクラウドサービスが普及して、サービス提供会社がほかの大きなクラウドサービスを利用していることもあるので、自社が攻撃対象でなくても影響を受ける場合があります。
攻撃への対策はどうする?
対策としては、アクセス数を監視して理由なく急激に増えたときは自動的にサーバを停止させる方法があります。もしクラウドサービスを利用しているなら、一時的にサーバ能力を強化することもできますが、この方法は費用がかかります。サービスを止めたくなければ、アクセス時にユーザーが画像に表示された数字やアルファベットを読んで入力する「CAPTCHA(キャプチャ)認証」を付加し、プログラム制御による侵入を遮断することもできます。しかし、最も重要なのは一般のパソコンやIoT機器を攻撃の踏み台にさせないことです。そのために、簡単なIDパスワードを避けたり、所有者にパスワードの再設定を促したりすることで、個人の端末への外部からの侵入を防ぐことが必要です。
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先生情報 / 大学情報
宮崎大学 工学部 工学科 情報通信工学プログラム 准教授 油田 健太郎 先生
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