太陽光発電の技術が、日本の未来を切り開く!
太陽光発電のネックはコスト面の問題
発電の過程で二酸化炭素や有害物質を排出せず、資源が枯渇する心配もない太陽光発電は、資源が乏しい日本にとって重要なエネルギー生産技術です。すでに、一般のビル用や家庭用発電システムも普及しつつあります。
ただ、太陽光発電は、製造コストが割高なのが弱点です。現在より安価に作れるようにしなければ、メガソーラーのような大型発電施設は、なかなか増やせないという問題があるのです。
集光レンズで太陽電池を小型化
太陽光発電システムの中で最もコストがかかるのは、光を電気に変換する太陽電池です。メガソーラーを作るためには、広大な面積の太陽電池パネルを敷き詰めなければならず、かなりの金額になってしまいます。そこで研究されているのが、樹脂製レンズを使って太陽の光を集め、集光部に小型の太陽電池を配置する「集光型太陽光発電システム」です。このシステムで使うのは、人工衛星などに使用されている高性能太陽電池で、発電効率は一般的なものの約2倍です。当然、高価ですが、太陽電池の面積が従来の1/500ほどですむので、大量生産されるようになれば、現在の8割ほどのコストで発電設備を作れるようになります。
電気を水素に変えて保存する新型蓄電
雨の日や夜間でも安定的に電気を使用するには、太陽が出ている時に作った電気を蓄えておかなければなりません。しかし、たくさんの電気を蓄えるには大型のバッテリーが必要になり、日本では自給できないレアメタルも大量に必要になります。この問題を解決するため、電気を水素に変えて保存する方法が研究されています。
理科で、水を電気分解して水素と酸素を取り出す実験を行ったと思いますが、それと同じ原理で、太陽光発電設備で作った電気で水を水素に変えて圧縮保存し、必要な分の電気を「燃料電池」の原理で作るのです。研究が進めば、やがて日本でも電気エネルギーを自給自足できるようになるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
宮崎大学 工学部 環境・エネルギー工学研究センター (電気電子工学プログラム) 教授 西岡 賢祐 先生
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