「○○が△△に効く!」 それだけが食品の機能ではない!!
健康に必要な食品の3つの機能
食品の機能性というと、メディアは生活習慣病などへの効果を強調しがちです。例えば乳酸菌が腸内環境を改善する、カテキンが脂肪を分解する働きを高めるという情報は注目されますが、それだけが食品の機能ではありません。食品には3つの重要な機能があります。第一に、生きるために必要な栄養素の補給、第二においしさの提供、第三が高度な生体調節機能です。食品の機能性についてはこれらを総合的に考えることが重要で、一つだけにこだわると、かえって健康を損ねてしまいかねません。
栄養素を補給して、おいしさで満足感を得る
食品から摂取できる栄養素には、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルという5大栄養素があります。これらをまんべんなく摂取すれば健康につながることが期待できるでしょう。そのためにはバランスのよい食事が必要ですが、実践は簡単ではありません。そこで、彩り豊かな食事が目安になります。白色のご飯、茶色の揚げ物、緑色の野菜……というように色彩豊かな食事になれば、いろいろな栄養素を摂取できているといえるでしょう。また食品には5大栄養素以外の成分も含まれ、それらが健康の維持に寄与している可能性があります。
そして味も重要です。サプリメントを飲めば必要な栄養素を摂取できるかもしれませんが、満腹感や心の満足感は得られません。おいしく食事を楽しむことも、健康づくりには必要です。
生活習慣病をいかに防ぐか
現在、社会の高齢化や生活習慣病の増加をいかに食い止めるかが課題になっています。その中でも、適切な食習慣は生活習慣病予防の一端を担っているといえるでしょう。特定保健用食品(トクホ)などの機能性食品を必要に応じて摂取すると共に、生活に適度な運動を取り入れることも重要です。健康なからだ作りをめざすことで、通院の必要性も減り、医療費削減も実現します。食品は薬のように、すぐに効果が表れるわけではありません。正しい知識をもって、良い習慣を長期にわたって実践することが健康のためには重要なのです。
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長崎国際大学 健康管理学部 健康栄養学科 講師 藤井 俊輔 先生
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