ロボットが家庭や災害現場で活躍する時代を支える 知的システム制御
誰もがロボットを操作できるようにするには?
あなたが風邪で寝込んだ時、ロボットが薬を持ってきてくれたら便利ですよね。その時、あなたならゲームパッドで操作できても、ゲームに親しみがない高齢の方には難しいかもしれません。また災害現場で地上からドローンを誘導できれば非常に効果的ですよね。しかし災害現場では作業のため両手が使えないこともあります。もし、ジェスチャーや声で操作できれば、操作のハードルは下がるはずです。
人と機械を取り持つ「インタフェース」
既に、身振り手振りを読み取って操作できるゲーム機器は存在しています。手の動きをセンサー感知してエアギターで演奏できるデバイスもあります。このようなエアギターなら体力に関係なく音楽を楽しめます。
この技術を応用すれば、複雑なレバー操作を必要とするショベルカーなどの重機やドローンなども直感的な動作で誰でも安全に扱えるはずです。こうした機械と人のコミュニケーションを受け持つ部分を「インタフェース」と呼びます。インタフェースには音声、モーション以外にも、レーザーポインターやプロジェクションマッピングで移動経路を指定するといった方法も考えられます。
想定外に負けない制御技術を
優れたインタフェースでロボットに「薬を持ってきて」と頼んだ後、いちいち「足元の障害物をまず右、次は左に避けて直線に進み……」などと指示するのは面倒です。ロボット自身が判断して適切に移動して持ってきてほしいところです。つまりロボットが身近になるためには、人の意図を受け取る「インタフェース」技術と、人工知能で自律的に行動する「知能システム制御」が必要なのです。
例えばロボットのカメラ映像伝送のわずかなタイムラグによって、想定外の衝突などが起こるかもしれません。これには「モデル予測」という予測演算を用い、不確定要素の発生を前提とした「ロバスト制御」で安定に制御することが考えられます。このようなさまざまな技術の組み合わせこそ、これからの機械工学の醍醐味なのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪産業大学 工学部 機械工学科 教授 中山 万希志 先生
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