スポーツの発展にも寄与できる医学
スポーツの発展を医療で支える
スポーツが好きで、将来スポーツに関わる仕事に就きたいと考えている人も多いでしょう。その一法として、医療を通じて、スポーツの発展を支えるという関わり方もあります。
医師の仕事は、病院やクリニックで、患者さんを診察することだけではありません。スポーツ活動と医療との結びつきは年々深まっており、プロスポーツはもちろん、実業団スポーツや青少年スポーツに至るまで、さまざまなスポーツ活動に医療従事者が関わるようになってきました。
メディカルチェックで怪我の予防や重症化防止
例えば、多くのプロスポーツでチームドクターが選手とともにベンチ入りすることが義務化されています。全国高校野球選手権大会では、マウンドに立つピッチャーにメディカルチェックが義務付けられています。それらはすべて、身体の異常を早期発見し、スポーツ障害の予防や適切な応急処置を行うことで、重大事故を防ぐための取り組みです。今や医療とスポーツとは、切っても切り離せない関係にあるのです。ラグビーワールドカップで大活躍した福岡堅樹選手のように、トップリーグで戦った経験をもちながら、医学部に進学するアスリートもいます。
「スポーツ好きだから医師になる」という選択肢
医学の進歩も、スポーツの発展に大きく寄与しています。メジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手が、右肘靱帯(じんたい)の再建術を受け、わずか7カ月ほどで試合復帰したニュースに驚いた人は少なくないでしょう。そのほかにも多くのスポーツ選手がケガを乗り越えて復帰しています。その陰には、皮膚を数cm切って開くだけで腱や靱帯を修復できる「関節鏡視下手術」という侵襲(身体に対するダメージ)の小さな手術法の発展や医学に基づいたリハビリプログラムの発展があり、そのおかげで、早期回復・復帰が可能になっています。
スポーツには、整形外科医のみならず、さまざま診療科の医師が関わっています。
「スポーツが好きだから医師をめざす」という選択肢も、大いにありなのです。
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先生情報 / 大学情報
福岡大学 医学部 医学科 教授 山本 卓明 先生
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