「アントレプレナーシップ」の育成で新潟を日本のシリコンバレーに!

「アントレプレナーシップ」の育成で新潟を日本のシリコンバレーに!

シリコンバレーに学ぶ起業家育成システム

アメリカのシリコンバレーには、GoogleやApple、Twitter、Facebookといった新しいビジネスで急成長を遂げた、また急成長しているスタートアップ企業やベンチャー企業が集まっています。シリコンバレーには、新しいアイデアを実現する時に必要なお金や物、人脈、情報がふんだんに提供される「スタートアップ・エコシステム(生態系)」がうまく機能しているからです。

核となる「アントレプレナーシップ」

こうしたシステムを動かす時に重要になるのが「アントレプレナーシップ(起業家精神)」です。新しい商品やサービスの開発、会社の設立に意欲を燃やし、リスクを恐れずに挑む姿勢や能力のことです。起業は1人の力だけではできません。さまざまな組織や個人が、物理的・心理的な距離や境界をまたいで知識をくっつけたり、価値を生み出したりする必要があります。
組織や個人がつながりやすい環境をデザインし、アントレプレナーシップを育成・研究しようとしているのが、新潟県のエコシステムです。県や大学、企業などが持っている知識や人材を総動員し、活用しながら起業家やマーケッターを育成していく取り組みです。

大学生が日本酒のギフトを開発

新潟県では、大学生らが地元企業にマーケティングでの課題を聞いて解決策を探ったり、起業したりしています。ある女子大学生のグループは、新潟の特産品である日本酒の消費量減少を食い止めるために調査を行い、若者、特に若い女性が日本酒を好まないということ、その要因には味や見た目、商品の分量の問題があることを突き止めました。そしてこのグループは調査結果を踏まえ、県内の酒蔵の協力を得て、若い女性をターゲットにした、デザインがかわいく少量で飲み比べができる日本酒のギフトを開発しました。プロジェクトは後輩たちに引き継がれ、流通チャネル(経路)やプロモーション方法の検討にまで広がっています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

新潟大学 経済科学部 総合経済学科 准教授 伊藤 龍史 先生

新潟大学 経済科学部 総合経済学科 准教授 伊藤 龍史 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

経営学、経営戦略論、マーケティング論

先生が目指すSDGs

メッセージ

世の中のさまざまな社会・経済現象が示すものや、問題の解決策を探るための「サーチライト」、ものの見方や情報を持ってください。これらの現象はいろいろな要因が複雑に絡み合っているため、一概に原因や結果はこうだと言えません。しかし、難解な現象でも、さまざまなものの見方を使ってとらえることで、新たな解釈や解決方法が浮かび上がります。
普段から、物事に対して自分なりに問題意識を持ち、本やインターネットで調べる、人に話を聞くなどして、多くのサーチライトを手に入れておきましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

新潟大学に関心を持ったあなたは

新潟大学は教育面を最も重視し、学生が自らの専門を深く極めるばかりでなく、広い視野をもち、物事を総合的に判断する力を身につけること、及び実践と体験を通したきめ細かい教育を行うことによって、学生一人一人の個性を伸ばすことを目指しています。さらに、教養教育と専門教育を融合させた教育プログラムを提供し、特定の課題・分野の学習成果を認証したり、異なる学部の学生と教職員で構成されるグループが地域住民とのふれあいを通じて人間的成長を目指すなど、本学の理念である「自立と創生」に基づく学生育成を実践しています。