マーケティング戦略のカギは顧客にあり!
企業が成長するためには
ベンチャー企業や中小企業が成長するためには、いかに既存の商品やサービスと差別化したものを提供できるかを、特に意識して実現する必要があります。そのために欠かせないのがマーケティングです。
東京の池袋で創業したある和定食店は、味の良さが評判でした。後を継いだ2代目社長は都内に支店を出して、世界進出を見すえたさらなる成長をめざします。そこで経営戦略のフレームワークのひとつ、「SWOT分析」でどのように成長すればよいのか考えました。
SWOTに当てはめてみると
SWOT分析で、企業の内部環境の「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」、外部環境の「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」を、自身が経営する和定食店に当てはめていきました。まず強みは「日本人になじみのある、おいしい和定食」、弱みは「資金や人材不足」でした。さらに機会は「外食の増加」や「女性の社会進出」で、脅威は「外食の低価格競争」と「競合他社の進出」と分析しました。ここで特に注目したのが「女性の社会進出」です。2代目社長が進出を考え始めた1990年代は、女性社員が昼休みに会社の外でランチをしようとしても、外食チェーンはファストフードが大半で、個人経営の定食店は女性一人では入りにくそうな店構えが多かったのです。
顧客のニーズにマッチした店舗
そこでターゲットを女性に定めて、内装を明るくしたり、客席の配置を工夫したりして支店をリニューアルしました。すると、女性を中心に大繁盛したのです。「一人でも入りやすく、おいしい和定食店」というコンセプトが、潜在顧客である女性のニーズと合致したのでした。この和定食店は既存の店舗もすべて同じスタイルに改装して、都内を中心に次々にチェーン展開を進めます。2000年代に株式上場を果たしたことで弱みとされた資金も調達できて、海外進出も達成しました。顧客重視のマーケティング戦略が、実を結んだのです。
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