講義No.10903 政治学

人口減少時代を生き残るための政策を「評価」するには?

人口減少時代を生き残るための政策を「評価」するには?

人口が減ると何が起こる?

日本では、人口の減少高齢化が急速に進んでいます。戦後に人口を抑制する政策を採ったため、現在は若者が少なく、高齢者が極端に多いいびつな人口構成になっています。子どもが少ないため、子どもにかかる行政経費は少なくなりますが、高齢者のための医療・介護・福祉費などが増えているため、財政を圧迫しています。また、働く世代の人口(生産年齢人口)が減ると税収も減るので、道路や水道管の更新ができない、病院や図書館を維持できないなど、住民の快適な暮らしを維持するサービスが提供できなくなる恐れがあります。

その政策は的外れかも?

政府は出生率を上げる政策を打ち出しましたが、的外れな政策と言わざるを得ません。戦後出生率が一貫して下がってきたのは、女性が高学歴になり、さらに社会で活躍するようになった結果なのです。そもそも子どもを産むかどうかは個人の問題であり、政策的に誘導すべきことではありません。一方、自治体も地域の人口を維持するために、他地域からの「Uターン」や「Iターン」を促進する政策に取り組んでいますが、ほとんど効果を上げていません。日本全体の人口が減少しているので、地域間で人口の取り合いをしても痛み分けに終わるだけです。
政府や自治体の政策が適切なものであるか、有効かどうか、目的を達成できているかなどを判断するために実施するのが政策の「評価」です。的外れな政策や効果のない政策が存在するのは、きちんと評価ができていないことも一因です。

政策のあり方と有効性を根本的に問う評価を

政策評価の生まれたアメリカでは、新薬の治験に使うのと同じような手法を用いて、かなり厳密に政策の有効性を評価しています。現在日本で実施されている政策の評価は、目標値を決めて、達成できているかどうかを確認するという簡単なレベルに留まっています。もちろん、このような評価にも意義はありますが、日本全体が人口構造面の深刻な困難に直面する状況下では、政策のあり方や有効性を根本的に問うことができる評価が求められます。

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先生情報 / 大学情報

静岡文化芸術大学 文化政策学部 文化政策学科 教授 田中 啓 先生

静岡文化芸術大学 文化政策学部 文化政策学科 教授 田中 啓 先生

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行政学、公共政策学

先生が目指すSDGs

メッセージ

若い人たちと話をしていると、夢を追わないというか、悟った感がある気がします。確かに今の日本は、経済が停滞しており、社会の活気も失われているように見えます。夢を抱くことが難しい時代なのかもしれません。
でも、社会の変化が激しいので、頑張れば抜きん出るチャンスがいくらでもあります。若い人が活躍しやすい新しいタイプの企業もどんどん登場しています。
安定性だけを求めるのではなく、自分の可能性を信じて、ぜひ大きな夢を抱いてみてください。少し背伸びして大きい夢を抱くことにより、新しい視界が開けてくることでしょう。

先生への質問

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静岡文化芸術大学は、文化政策学部、デザイン学部からなる大学です。「文化」と「デザイン」の融合が新しい価値の創造を可能にするという理念のもと、時代の要請に応えられる創造性と実践力を持った人材を育成します。社会に貢献できる人材の育成を目標に各領域を段階的に学び、多方面から物事にアプローチできる力を養う教育を目指しています。
キャンパスは静岡県浜松市の中心市街地に位置します。多彩な産業を擁する地域特性を活かし、企業や公共機関での実習を積極的に取り入れ、学内だけでは得られない貴重な経験を生み出します。