デザインの力で、街の景観を変え、人々をハッピーにする
多岐にわたり細分化されているカーデザイン
毎年登場する新しい自動車のデザインはどのように作られるのでしょうか?
カーデザイナーには、ボディをデザインする「エクステリアデザイナー」、内装のデザインを行う「インテリアデザイナー」、ボディや内装の色彩を考える「カラーデザイナー」のほか、専用の粘土で立体を作る「クレイモデラー」、パソコンでビジュアル化する「デジタルモデラー」、これらのデザイナーをまとめる「チーフデザイナー」などがおり、その仕事は細分化され、多岐にわたります。例えば、インテリアには安全性や快適さなどというように、担当ごとに求められるニーズが異なり、技術の進歩によって求められるデザインも年々変化しています。
デザインには街の景観を変える力がある
さらに、量産化する際にどういったデザインやカラーなら、今ある製造ラインで対応できるかといった、生産技術との調整も欠かせません。デザイナーには専門的な知識や技術はもちろん、デザインチームや技術部門とのコミュニケーション力、調整力も非常に重要になるのです。
こうして作られた自動車は街並みの一部となり、景観や環境を作ります。美しい文具や美しい家具と同じように、美しい移動機器には街の景色を変える力があります。そして、工業デザインは、普遍的・論理的でなければ長く愛されるものにはなりません。
デザインの力で人々の気持ちをハッピーに
私たちの生活においては、自動車のほか、パーソナルモビリティや自転車、ベビーカー、シニアカー、車いすなどのさまざまな移動手段があります。ユニバーサルデザインはもちろん、自転車が快適に移動できるような道路や歩道を考えることや、例えば電車にシニアカーを積んで移動するといったモビリティミックスなど、デザインにできることはまだまだたくさんあります。移動に関連したデザインを通じて、安全で快適なより良いまちづくり、環境づくりを実現することで、人々の気持ちをハッピーにできるのです。
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先生情報 / 大学情報
静岡文化芸術大学 デザイン学部 デザイン学科 教授 服部 守悦 先生
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工業デザイン学先生への質問
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