データをデザインする? 社会を変えていくデザインの力
モノ、コトをデザインするデザイナー
一口に「デザイナー」と言っても、チラシやポスターをデザインするグラフィックデザイナー、WebサイトをデザインするWebデザイナー、映画やアニメ、ゲームのCGをデザインするCGデザイナーなど、さまざまなデザイナーがいます。こうした形のあるモノだけでなく、形のない「コト」をデザインするのもデザイナーの役割です。さらに言えば、部屋のどこにソファを置いたら快適に過ごせるか、苦手な科目をどんな順番で勉強したら効率的かを考えることもデザインです。つまり、デザインとは考えや方法など、さまざまな要素を組み合わせることで、新しい可能性を発見したり、価値を創出したりするための方法論と言えるでしょう。デザインはデザイナーだけではなく、広く人々が関わることのできる領域なのです。
近年、注目されるデータビジュアライゼーション
近年、さまざまな分野でビッグデータが活用されていますが、データ活用の方法として、「データビジュアライゼーション」と呼ばれるデザイン手法が注目されています。これは、膨大で複雑なデータを視覚化する表現のことです。例えばサッカーでは、選手のパフォーマンスをデータ化し、それをビジュアルにすることで、試合の戦術やトレーニングに生かしています。数字や文字だけでは直接的な価値にならなくても、デザインすることで、見えていなかった情報を発見し、気づいていなかった価値を創造することもできるのです。
人や社会に役立つデザインの重要性
デザインに求められる役割は幅広く、さまざまな社会課題を解決するためにも有効と考えられています。例えばこれは学生のアイデアですが、街の中にある信号機であれば、体の不自由な人が横断歩道を渡る場合に、カメラなどで検知して、信号の間隔を長くすることも「デザイン」の領域です。社会が抱える課題をすくい上げて、より良い社会を実現していくための方法として、デザインの重要性はますます高まっています。
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先生情報 / 大学情報
武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科/通信教育課程 教授 清水 恒平 先生
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