AIはどうすれば賢くなるのか? どこまで賢くなるのか?
その分野に適した学習法でなければAI は賢くならない
近年、さまざまな工業製品やサービスが、AI活用による高性能化や実現性をアピールしています。そのせいか、AIがどんなことでも正確に判断できる魔法の杖だと考えていませんか? 確かに、ビッグデータを用いて機械学習を繰り返すことで、AIの精度・性能はどんどん向上します。しかし、顔認識用のAIに、文字や音声をいくら学習させても意味はありません。「何をさせたいか」によって学習方法や学習対象を選ぶことで、効率的な機械学習が実現するのです。
AIが日常生活をアシストしてくれるようになる
AIによる顔認識や文字・数字認識は、すでに高度なレベルに達しています。中国では約14億の国民の中から、たった1人を認識・特定できる監視カメラとAIとのネットワークを、ほぼ完成させています。また、文字認識AIと数式分析ソフトを組み合わることで、スマホで撮影するだけで大学入試レベルの数学問題も解けるようになりました。
また、家庭用ガスメーターの画像をガス会社に送信し、AIが月々の使用量やガス漏れリスク予測などを行うシステムも研究が進んでいます。電気、ガス、水道の使用量は生活様式と密接に関わっているので、こうした技術が進歩することで、ライフスタイルや福祉分野の新しいサービスが生まれるかもしれません。
学校での学習効率もグッと向上するかも
カメラに映るだけで健康状態や疾患のリスクなどがわかるAIの研究も進んでいます。カメラ映像からヘモグロビンの流れを抽出する「映像脈波」という技術があるのですが、血流の状況をAIに学習させ、心拍数や血圧の変化、さらに自律神経の状態まで非接触で判断しようというシステムです。こうした技術が一般化し、学校や進学塾などに導入されると、「今日はいつもよりやる気がありそう」「今の問題、あまり理解できていないかも」といったことまでAIが判断し、個別の学習プログラムを提案してくれるようになるかもしれません。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
静岡理工科大学 情報学部 コンピュータシステム学科 教授 富樫 敦 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
情報工学・科学、データサイエンス学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?