講義No.11031 経営学・商学

新商品や新規事業を戦略的にターゲットに届けるために

新商品や新規事業を戦略的にターゲットに届けるために

すべての商品はマーケティングの産物

あなたが日常的に触れているもの、例えばコンビニで購入するジュースやお菓子、流行の洋服や音楽から文房具まで、すべては例外なく「誰かが戦略的に意図的にはやらせたもの」です。言い換えれば、それらはマーケティングの成果としてあなたの手元に届いているということです。「マーケティング」とは、商品をターゲットに届ける方法を戦略的に考えることです。今、あなたが手にしているジュースやガムはどうしてその価格なのか、どうしてそのパッケージデザインなのか? コンビニの商品棚には、激しいマーケティング競争を勝ち抜いてきた商品だけが並べられているのです。

新しい価値を世の中に

企業の商品をターゲットにどう届けるかを考えるマーケティングに対して、「イノベーション」とは新しい産業を生み出して、世の中にどうインパクトを与えるのかを考えることです。現在の日本は少子高齢化により、各地で小学校の廃校が相次いでいます。例えば、金沢市の廃校になったとある小学校の校舎が、新しい価値を生み出す場所になった事例があります。1階には市民誰もが利用できる公民館と図書館に加え、くつろげるカフェを併設しました。そこから上のフロアには、金沢の食と工芸が楽しめるイベントを開催するスペースや、ベンチャー企業のオフィス、コワーキングスペースを設け、地元住民も観光客も楽しめる複合的な価値を生み出す施設に変貌したのです。

イノベーションは人々に楽しみと幸福をもたらす

イノベーション創出のプロセスを一言で表すと「発明×普及」となります。発明は、あなた自身がするかどうかは別にして、分かりやすい概念でしょう。目立ちますし、カッコいい。でもそれだけではダメです。なぜなら発明をしただけでは、多くの人に行き渡らないからです。ひとりでも多くの人に使ってもらってこそのイノベーションであり、そうやって価値を生み出し、効果的・効率的に多くの人に届けることが、結果的に人々に小さな楽しみや幸福をもたらすことにつながります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

金沢大学 融合学域 先導学類 教授 金間 大介 先生

金沢大学 融合学域 先導学類 教授 金間 大介 先生

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経営学

先生が目指すSDGs

メッセージ

常に世の中をよく見て考える習慣をつけましょう。立ち寄ったコンビニで何かを買うときも「どうして今、これが売れているのか?」「この商品はどうやって生まれたのか?」などなど、日常生活で手に取ったものについて深く考えてみてください。
私も職業柄、コンビニには頻繁に立ち寄り、そこで目に入る商品についてあれこれ考察します。常に研究者としての視点を忘れずに生活しているので、オンとオフの切り替えがありません。普段の生活で自然に考える習慣をつけていれば、それは将来必ず役に立つでしょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金沢大学に関心を持ったあなたは

金沢大学は150年以上の歴史と伝統を誇る総合大学であり、日本海側にある基幹大学として我が国の高等教育と学術研究の発展に貢献してきました。本学が位置する金沢市は、日常生活にも伝統文化が息づき、兼六園などの自然環境に恵まれ、学生が思索し学ぶに相応しい学都です。江戸時代から天下の書府とも呼ばれ、伝統の中に革新を織り交ぜて発展してきた創造都市とも言えます。「創造なき伝統は空虚」との警句を胸に刻み、地域はもとより幅広く国内外から来た意欲あるみなさんが新生・金沢大学への扉を共に開くことを期待しています。