多様な製品に「デザイン」を生かす事例研究
「楽しい・豊か」を生み出す
文具、パソコン、電化製品、自動車など、人間が使う製品のデザインを「プロダクトデザイン」と言います。色や形などの見た目だけではなく、使いやすさや機能など、それを使うことによって、楽しさ・豊かさなどを味わえる製品を生み出すことが、プロダクトデザイナーの仕事です。それは日用品だけでなく、街づくりや、IT機器の画面のデザインなどにも関わります。
デザインの力を引き出すには
しかし、デザイナーの力だけではよい製品を生み出すことはできません。素材や加工技術、企業の利益といった要素も関わるからです。よい製品づくりには関係企業の協力が必要ですし、経営者がデザイナーの精神を持つこと、逆にデザイナーが経営やマーケティングを理解することも必要です。
プロダクトデザイナーは、独立したデザイン事務所で働いたり、企業に所属して働いたりしています。デザイナーがいない小規模な伝統工芸品の企業などでは、デザイン事務所と協働で現代のニーズに合う製品を開発するケースもあります。伝統的な刃物とデザイナーが出会い、40年も売れ続けるヒット商品を生み出した事例があります。一方、デザイナーを抱える現代的な製品の大規模メーカーの例では、デザイナーが販売の仕事にも関わるようにしたところ、顧客とのコミュニケーションが生まれて、よい製品を生み出すことができました。
すべての製品にプロダクトデザインを
このような、企業とデザイナーのマッチング方法や、デザインの勉強会や情報交換の場づくり・仕組みづくりも、広い意味でのプロダクトデザインの領域として、事例の収集や分析などの調査研究が行われています。
多様な人々が楽しさ・豊かさを味わえて、かつ環境にも配慮するなど、時代に合わせたプロダクトデザインが必要です。どんな企業でも継続的に製品づくりにデザインの知見や技術を応用できるように、プロダクトデザイン事例の研究が求められています。
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