デザインは「モノ」から「コト」へ
「モノ」から「コト」へ
デザイナーの役割は、1980年代前半まで実在するものをデザインすることが主流でした。家具や衣服、建築物等々、目にみえる形あるもののデザインが中心でした。しかしコンピュータ等のテクノロジーの出現により、「モノのデザイン」から「コトのデザイン」へとデザインの領域が拡張していきました。例えばコンピュータの操作は電気のスイッチのように単純なものではなく、ユーザーとデバイスとの間で「対話」による操作(インタラクション)が必要になります。インタラクションを円滑で直感的に行うためのデザインが求められ、さらにその操作の中で起こる出来事や体験のデザインに着目することが必要になっていきました。
アプリデザイン
スマートフォンアプリのデザインを考えてみましょう。私たちは、スケジュール管理、移動中の交通情報の提供、仕事中のタスク管理、食事のためのレストラン検索、休憩中のリラックス等、様々な生活シーンの中でアプリを利用しています。時間や場所によって使うアプリを変えて、同じアプリでも他人とは違う使い方をしているかもしれません。そのため、デザイナーはユーザーの活動の流れの中で、行動や感情の変化を細かく観察し、そこで発見したニーズや問題点を解決するデザインを考えます。
またデザインはニーズを満たすだけでなく、新たな経験を提供することもめざします。例えばソーシャルメディアのアプリは、これまでにないコミュニケーションを生み出しました。アプリは新たな体験となる出来事を創出しているのです。
UI•UXデザイン
こうしたユーザーの体験は「UX(ユーザーエクスペリエンス)」と呼ばれます。UXは、ユーザーが何かを利用する過程で感じる喜びや便利さ、安心感や楽しさなど、全体的な体験を指します。一方「UI(ユーザーインタフェース)」は、ユーザーとモノとのインタラクションの関係性を意味します。情報デザインでは、新たな時代や社会に必要なUXを提案し、新しい技術や考え方を生活にフィットさせるUIを生み出しています。
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