患者の人生を救う! 社会から必要とされる救急医とは
テレビドラマや映画で注目された救急医
救急救命室を舞台にしたテレビドラマや映画で、救急医に興味・関心を持つ人が増えたと言われています。しかし、救急科専門医の数は年々増加しているものの、日本にはまだ5千人ほどしかいない貴重な専門資格です。現在の医療は細分化され、数多くの専門に分かれています。しかし事故による負傷や急病の搬送患者を受け入れる救急科は、すべての診療科への入り口であり、救急医はあらゆる病気やけがの状態を総合的に診なければなりません。緊急度の高い患者が多いことから、素早い判断と対応が求められます。
瞬時に的確な判断を必要とする救急医療
緊急かつ重症度の高い患者に対応するため、救急科では医師や看護師、臨床検査技師、放射線技師といった医療従事者が連携しあうチーム医療が行われています。医療機器は数年前に比べれば格段に進化しており、診断のヒントを人工知能(AI)の画像診断に頼るような技術もあります。しかし、一刻を争う事態では医療従事者の「ファーストインプレッション(第一印象)」が重要であることに変わりはありません。瞬時に的確な判断ができるようになるには、現場で経験を積むことはもちろん、医学の基礎的な知識や理論に立ち返って目の前の患者に向き合うことも必要です。
患者の人生を救う
地方病院の若手救急医が十分な経験を積めるよう遠隔で指導したり、患者の搬送などにあたる救急隊員らとの連携をより深めたりするなど、救急科の課題を解決する研究、検討も進められています。ときには感染症の拡大や災害の発生で、それまでに経験したことがない事態に直面することもあります。その都度、しっかり研究し、新しい知見を増やしていくのです。
救急で大切なのは命を助けることはもちろん、治療によって患者が社会へ復帰できるようにすることで、まさに患者の人生を救うことです。それを実現する救急救命のあり方や救急処置の方法などについて、日々、さまざまな実践と研究が行われているのです。
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先生情報 / 大学情報
金沢大学 医薬保健学域 医学類 教授 岡島 正樹 先生
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