経営学の切り口で解明する、スポーツやスポーツイベントが持つ力

経営学の切り口で解明する、スポーツやスポーツイベントが持つ力

スポーツイベントの効果

日本ではさまざまなスポーツイベントが開催されています。こうしたイベントは地域の飲食店や宿泊、交通といった産業を潤すだけでなく、目に見えにくい社会効果ももたらします。例えば競技から得られる感動や、周囲とともに応援することで生まれる一体感です。運営に参加する地域住民のつながりが生まれ、地域のソーシャルキャピタル(社会関係資本)が強化される効果も期待されます。スポーツマネジメントという学問分野では、こうしたスポーツイベントが個人や地域、国レベルに及ぼす影響力についても研究できます。

地域資源の活用

オリンピックやサッカーワールドカップなど、自国では数十年に一度しか開催されないメガイベントとは違い、地域イベントは全国で頻繁に開催されています。特に地方で、自治体の財政難や住民間の交流不足の解消、健康寿命の延伸といった地域課題の解決のきっかけとして、スポーツイベントを開催する例が多くみられます。近年はこうしたイベントが増えすぎて淘汰されるケースもみられるほどです。より集客を増やし継続性を高めるには、地域資源を最大限に活用する必要があります。例えばマラソンでは、コースの中に観光名所を数多く配置するものや、都心の道路をコースとして開放するものがあり、毎年多くの人が参加しています。

スポーツマネジメントの役割

スポーツの産業規模は、自動車やITの分野に比べればそれほど大きくはないものの、より共感や注目を集め、人と人とを結びつけるという特性を備えています。また多くの人に届きやすいメッセージ性もあることから、選手やイベントに企業からの協賛が集まりやすいという強みもあります。こうしたスポーツが持つ力を、マネジメントやマーケティングといった経営学的な手法で明らかにすること、またそこで得られた知見を、スポーツを通じた地域課題の解決や地域の活性化に生かすことも、スポーツマネジメントの大切な役割なのです。

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先生情報 / 大学情報

東海大学 体育学部 スポーツ・レジャーマネジメント学科 准教授 押見 大地 先生

東海大学 体育学部 スポーツ・レジャーマネジメント学科 准教授 押見 大地 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

経営学、スポーツマネジメント

先生が目指すSDGs

メッセージ

私が専門とするスポーツマネジメントは、複合的な学問領域が合わさった応用的な学問です。ですから、ノーベル賞を取るような「尖った」研究をするというより、経営学や社会学、歴史学や医学など、さまざまな知識をどん欲に吸収し、応用することが求められます。
将来スポーツについて学びたい人もそうではない人も、特定の専門分野だけでなく、知識を幅広く吸収してほしいと考えています。さまざまな考えに触れることが、あなたの幅・選択肢を広げてくれると思います。

先生への質問

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