3DやVRを活用した未来の授業の姿とは
デジタル端末のその先へ
ICTを活用した教育の推進により、学校では1人1台デジタル端末を使うようになっています。将来、学校教育ではどんなデジタル機器やテクノロジーが使われるでしょうか? 例えば、3DやVRを取り入れることで、学びを深めることが期待されます。数学の立体図形や化学の分子構造など、立体的な理解が求められるものは、一度でも3Dで見ることができれば、その後もイメージを膨らませやすくなります。また社会科では、埴輪(はにわ)のような凸凹のあるものや複雑な構造の建物などは、平面の写真で見るよりも3Dで見た方が得られるものが多いと考えられます。
3DやVRを授業で使うために
ゴーグル型のヘッドマウントディスプレイを使うことで、没入感が高く、場面や空間を追体験できます。しかし、授業で3DやVRを使うなら、スタイラスペンなどで教材を動かすといったインタラクティブ性のある、デスクトップ型のVRシステムも大きな効果を発揮します。学習中でも生徒の表情が見えるし、話しやすくてグループ活動も活発になるからです。
健康面への配慮も重要です。デジタル端末を長時間使うと目が疲れてしまうのと同様に、3DやVRの映像を見る際、適切な使い方をしないと目への負担が大きくなってしまいます。また、3Dを見るのが苦手だという人もいますので、授業での利用においては、目の特性や使いやすさも併せて考える人間工学の視点が重要です。
3Dを囲んで考える未来の授業
3DやVRを教育に活用する研究では、どんな学習にどんな教材を使い、どんな機器を使うのが良いか、そしてそれにより、どんな学習効果があるのかを検討しています。実際に小学校の授業に3Dを取り入れてみると、従来の2D映像では気づかないことに着目できたり、空間の様子が分かることで議論が深まったりしました。
近い将来には、生徒が机で囲んだ真ん中の空間に3Dの教材が浮かび上がり、それを動かしながら考えたり議論したりする授業ができるかもしれません。
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東海大学 情報理工学部 情報メディア学科 教授 柴田 隆史 先生
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