英語を楽しく学ぶためには、自分で「気づく」ことが大切!
小学校英語における大改革
2020年度から、小学校の英語の教科書に「フォニックス(発音とつづりの関係性を示すルール)」の入門として「文字と音をつなぐ指導」が導入されました。英語は日本語と違って、文字の名前と発音が一致していません。また、同じアルファベットでも単語によって読み方が変わることがあります。このため、日本人学習者にとって、英語のつづりは一つの大きなハードルとなっていました。「文字と音をつなぐ指導」が導入されたことで、英語の読み書きにつまずく子どもが減るのではないかと期待されます。しかし、ただ「教える」だけでなく、児童に「気づかせる」指導が求められます。
好奇心を引き出す指導法
英語を習得するためには、手紙を書きたい、絵本を読みたいといった、児童・生徒の好奇心をきっかけに楽しく学ぶことが大切です。教育学では、理論の研究だけではなく、好奇心を引き出す具体的な指導法に結び付くよう、現場と密に関わりながら研究を進めています。例えば、Pから始まる単語を集めてもらい、児童自身に「Pとはどんな音か」を気づかせる活動をします。すると、自分で「気づく」という経験から他の文字の音にも興味を持ち、自らルールを見つけようとします。このように楽しみながら言語体験を積むことが指導において重要です。
「できること」を評価する
どう指導するかと同様に大切なのが、どう評価するかという点です。学習する上で、間違えることは必要なステップです。「できていないこと」を見るのではなく、「できるようになったこと」を評価することは、児童の自信につながります。例えば、「want」を「wnt」と書いたなら、それは子音の音をよく理解している証拠です。「to」を「two」と書いたなら、それは「2」という単語を知っている、同じ音だと理解していることを示します。
教育学の視点から指導法と評価法を提案し、学校現場が児童・生徒の実態を基にさらに良い方法をフィードバックする。こうした相互作用によって、日本の英語教育は進化を続けています。
参考資料
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先生情報 / 大学情報
佛教大学 教育学部 教育学科 准教授 赤沢 真世 先生
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