講義No.11407 教育

自分を客観視する「メタ認知能力」を理科の授業で育む

自分を客観視する「メタ認知能力」を理科の授業で育む

焼きそばにレモン汁をかけるとどうなる?

紫キャベツと焼きそばをいっしょに炒めるとどうなるでしょうか。答えは「麺が緑色に変わる」です。紫キャベツにはアントシアニンという色素が含まれており、この成分はアルカリ性に触れると青みがかります。アルカリ性の麺と化学反応を起こすことで、このような色の変化が見られるのです。また、焼きそばにレモン汁をかけると麺がピンク色に変わります。これも化学反応です。これらの変化はすべて理科の知識があれば理解できることです。
理科が苦手な人は、どこかに暗記中心の科目というイメージを持っているのかもしれません。確かに暗記が必要な部分もありますが、理科の大きな魅力は、学んだ知識について実際に自分で実験をしたり観察をしたりして体験できる教科であるということです。

カマキリの脚を正しく描けますか?

続いての質問です。ダイコンの根やカマキリの脚を正しく描けますか? 「ダイコンの根と茎の境目」「カマキリの脚が生えている場所」「カマキリのカマは脚に含まれるか?」など、頭の中ではイメージできても実際に正しく描写するとなるとなかなか難しく、多くの子どもたちが間違ってしまいます。このような、自分ではわかっているつもりでも正しく理解できていないことを「誤概念」と呼びます。

理科の授業で、自分を客観視する視点を獲得

自分ではわかっているつもりでも、実際にはわかっていない、そのことに気づくには「メタ認知能力」が必要です。「メタ」とは一段階上の概念を意味します。自分自身を客観的に見られるようになると、自分が理解できている点と理解できていない点とが自覚できます。頭の中で理解して終わりではなく、実験や観察を通じて自分が知らなかったこと、わかっていなかったことに気がつく、理科とは自分の誤概念を発見するための最適な授業だといえます。そしてメタ認知能力を育成することで、あらゆる科目で受身ではない能動的な学びができるようになるでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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高知大学 教育学部 学校教育教員養成課程 理科教育コース 准教授 中城 満 先生

高知大学 教育学部 学校教育教員養成課程 理科教育コース 准教授 中城 満 先生

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先生が目指すSDGs

メッセージ

学校の授業に無駄はないと思って日々勉強をしてほしいです。化学や物理で学んだ知識が身の回りでどのように使われているのか、といった視点があると理解が深まるでしょう。大切なのは勉強を楽しむ視点を持つことです。また、失敗したらそこで諦めるのではなく、なぜ失敗したのかを考えてください。どこに失敗の原因があるのかを考え、改善して次につなげるのです。
そして、人とのつながりを大事にしてください。私の今の研究の成果は、自分ひとりで成し得たものではありません。多くの協力者のおかげでもあります。

先生への質問

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高知大学は、四国山地から南海トラフに至るまでの地球環境を眼下に収め「地域から世界へ、世界から地域へ」を標語に、現場主義の精神に立脚し、地域との協働を基盤とした、人と環境が調和のとれた安全・安心で持続可能な社会の構築を志向する総合大学として教育研究活動を展開しています。
教養教育、専門教育、正課外教育やインターンシップを通じ「表現力」「プレゼンテーション能力」「コミュニケーション能力」「異文化理解能力」「情報活用能力」の5つの能力で社会の力になる21世紀の知識創造社会で活躍できる人材を輩出します。