ダンスは「舞台芸術」であり、「身体を使った表現手段」だ

ダンスは「舞台芸術」であり、「身体を使った表現手段」だ

ダンスは身体を使った表現方法

普段の会話でも、より相手にわかりやすく伝えようと身振り手振りを交えることがあります。こうした「身体を使った表現」は、とても重要なコミュニケーション手段で約70%の情報は身体から伝わります。コミュニケーションといえば言葉が重視されがちですが、思いや熱意は自然に手の動きや表情に表れるものです。ダンスも、同じような身体表現のひとつです。バレエや民族舞踊、みんなで踊るフォークダンスやストリートダンス、コンテンポラリーダンスなど、地域性や歴史、各時代の社会的情勢や思想などを背景に、世界には多種多様なダンスが存在します。

「自分たちのもの」から「オープンなもの」へ

ダンスの起源は定かではありませんが、古くは祭や宗教儀式、そして雨乞いや豊作を願うために、神様の前で舞ったり踊ったりしてきました。初期の頃は自分たちの喜びのために踊っていたのが、近年になってよりオープンに、他人に魅せるものに変化していきます。札幌のYOSAKOIソーラン祭りや、鳥取の郷土芸能であるしゃんしゃん傘踊りが、街を練り歩くパレード型として発展したのもその一例です。華やかなパレードに客が集まり、経済効果もあいまって一般市民にも定着していく一方、自由さは失われていきました。

みんなが自由にできるもの

学校教育では、明治期からダンスを体育という枠組みで扱ってきました。確かに体を動かして健康増進という意味では体育ですし、集団でそろった動きをするダンスは迫力もあり、魅力的です。ただ体育なので、どうしてもできるできないといった技術への点数による評価がともないます。しかし本来ダンスというものは、身体で自由な表現を行うものであり、誰かと競うものでもありません。運動が苦手でも、身体に障がいがあってもできるのがダンスです。80歳でも、5歳でもその年齢だからこそ生まれる美しさがあります。誰もが伸びやかに身体を使い、自由に表現を追求していくことができるのがダンスの大きな魅力なのです。

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鳥取大学 地域学部 地域学科 国際地域文化コース 准教授 木野 彩子 先生

鳥取大学 地域学部 地域学科 国際地域文化コース 准教授 木野 彩子 先生

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地域学、舞踊学

先生が目指すSDGs

メッセージ

今という時間は、一瞬しかありません。今できることを、できる範囲で最大限挑戦してみましょう。その繰り返しが、あなたの思い描く未来につながります。そのためには、まず一歩を踏み出すことです。もし思い描く未来がかなわなかったとしても、続けてきた努力や経験は無駄にはなりません。むしろあなたの人生を豊かにします。
自由な移動が制限されたとしても、オンラインを使った人やモノの交流、バーチャル体験などができるようになったというメリットもあります。したたかに、諦めず前進していってください。

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