仕事の心理学-楽しく働く人になる。
楽しく働く人が持っている特徴
楽しく働く人とは、どんな人なのでしょうか。就業者への意識調査から、楽しく働く人は、目標に向かって創意工夫し、困難を乗り越えながら達成しようとする「モチベーションの高さ」や、考えや立場が違う人とも対話し、協力して仕事を成し遂げようとする「コミュニケーション能力の高さ」を持っていることがわかっています。
「お金のため」だけじゃ楽しくない
私たちが楽しく働くためには、会社組織の社会的な風土、上司のリーダーシップ、同僚との人間関係など、社会的な環境が良いことも重要ですが、「何のために働くか」という本人の動機がそれ以上に大切です。
いやいや働く人は、「お金をかせぐため」という外発的な動機だけで働く傾向があります。一方、楽しく働く人は、お金をかせぐという動機もありますが、それだけでなく、「自分の能力を発揮し、成長できる仕事がしたい」という内発的な動機や、「人の役に立ち、協力し合う仕事がしたい」という社会的な貢献意欲が強い傾向があります。
楽しく働く人になるために
楽しく働く人になるために役立つのが、心理学を活かして心の成長をサポートする「心理教育」という方法です。例えば、仕事の適性を発見するために、自分が夢中になることや得意なことを話し合うグループワーク、仕事のコミュニケーション能力を高めるために、上司役と部下役に分かれて対話するロールプレイなどがあります。
楽しく働く人になるために、高校生のあなたにも今できることを1つ紹介しましょう。未来の自分の姿をイメージするという「目標設定」の方法です。例えば、学校の宿題をやる前に、宿題をサクサクやって終わっている自分や、部活の試合前に、集中していいプレーをしている自分、人間関係が苦手な人なら、人とリラックスして楽しく話している自分の姿をイメージしてみてください。自然と前向きな気持ちが出てきて、積極的に取り組み、良い成果も出やすくなります。こうした実践を繰り返す中で、少しずつ、楽しく働く人になっていくことができます。
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先生情報 / 大学情報
東海大学 文化社会学部 心理・社会学科 教授 浅井 千秋 先生
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