誰一人取り残さない社会へ カギを握るのは中小企業!?

誰一人取り残さない社会へ カギを握るのは中小企業!?

ポテンシャルが高い中小企業

SDGsは、誰一人取り残さない社会、人が人らしく生きられる社会を作っていくことを目指しています。「SDGs」と聞いたら、フードロスやプラスチックごみ削減などの環境問題の目標を一番先に思い起こす人も多いかもしれませんが、もっともっと幅広い課題を扱っている目標なのです。
SDGsの取り組みは大手企業の活動が注目されますが、実は達成の鍵を握っているのは中小企業かもしれません。日本は、全企業数のうち99%が中小企業で、労働人口は全体の約7割を占めています。しかも、多くの従業員は地域に住む人々であり、地域社会と密接に関係しているからです。

地域社会を変える力がある

中小企業がSDGs推進に参画すれば、従業員やその家族、地域社会へも影響を与えるでしょう。企業なりの環境への取り組みや、育児や介護をする人などどんな人でも働きやすい職場環境づくりなどが進むことで、新しいビジネスチャンスが生まれる、働きたい人が集まりやすくなるといったメリットも考えられます。また、地域に密着している中小企業は地域の課題を発見しやすいです。場合によっては、行政に提言するなど政策に関わることもできるでしょう。社会を変える大きなポテンシャルを持っているといえます。

認証制度で導入をスムーズに

ただ、中小企業の多くは、SDGsをどう推進したらいいのかわからないのが現状です。また、グローバルな視野でSDGsの企業の取り組みをみると、特に人権などの分野で、日本はまだまだ発展途上といえます。
SDGsの企業の取り組みを認定する「SDGs認証制度」を運用する自治体もありますが、現在のところごく一部の自治体が導入しているに過ぎません。この認証制度を導入していない場所で事業活動をする企業は、いくらSDGsの取り組みをがんばってもSDGsの認証を取得することができません。そのため、全国規模でSDGsの認証制度を整えていくことも必要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

東海大学 教養学部 人間環境学科 准教授 小坂 真理 先生

東海大学 教養学部 人間環境学科 准教授 小坂 真理 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

国際関係論、社会学

メッセージ

フットワークを軽く、行動してみてください。興味や関心があることは、恐れずに実際に見てみる、体験することが大切です。経験が増えるほど、さまざまな人と出会い、よいチャンスを得て、自分の将来の夢につながります。また、新たな視点を得られるため、身近なサステナビリティの課題にも気づけるようになります。うまくできなくても、失敗しても大丈夫。そこから学ぶことはたくさんあり、何にも変えがたい経験になります。

東海大学に関心を持ったあなたは

海底から、宇宙まで。東海大学の学びは広がり、つながり、そして大きなうねりとなります。さまざまな場所で波を起こし、新しい波同士がぶつかり新たなひらめきが見つかることも。
東海大学は、全国のキャンパス(品川、湘南、伊勢原、静岡、熊本、阿蘇、札幌)に23学部62学科・専攻を擁する総合大学です。この大きな“受け皿”こそが、東海大学の魅力の一つです。社会に役立つ学びが集約された東海大学なら、あなたの興味や情熱に応える学びがきっと見つかります。