アスリートの身体づくりを高齢者や女性の健康づくりに生かす
アスリートの活躍をサポートする理学療法士
オリンピックに出場する選手たちは、自分の身体に日々真剣に向き合いながらトレーニングしています。そんなアスリートのケガからの復帰をサポートし、再発リスクの管理や予防、パフォーマンス向上を支えるのが「理学療法士」です。ウォーミングアップやクールダウンでよく行うストレッチは、ケガの予防やパフォーマンスの向上に効果的ですが、効率的かつ個々の目的に合った方法を研究して実践指導することで、アスリートのパフォーマンスをサポートしています。
高齢者や女性の健康づくりに役立てる
また、アスリートの身体づくりにヒントを得て、高齢者や女性の健康づくりも支援しています。アスリートは、自分の身体の小さな変化に気づき、ストレッチやトレーニングで修正しています。理学療法士はアスリートに限らず、子どもから成人、高齢者、女性などに対し、それぞれの身体の機能や特徴を考慮しながら評価し、治療方法を提案、指導しています。また、女性の身体は、月経、妊娠や出産、加齢などによって大きく変化します。女性アスリートは、このような身体の変化に加えて競技の影響も受けるため、体調管理が大切です。そこで理学療法士は、身体の解剖や生理を考慮しながら、運動による健康づくりのサポートをしているのです。
社会全体の健康づくりに貢献
理学療法士は、病院などでリハビリテーションを行っているイメージがあるかもしれませんが、健康づくりといった社会的ニーズに応えることもでき、活動の場が広がっています。例えば、自治体や企業と共同で研究することで、社会のニーズを理解し、モノづくりやコトづくり、ヒトづくりを通して、人々の健康をサポートすることは社会貢献にもつながります。今、社会で不可欠となっているSDGsの、「3.すべての人に健康と福祉を」そしてこれらの重要性を伝える「4.質の高い教育をみんなに」に関わっていくことができるのです。
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先生情報 / 大学情報
北海道大学 医学部 保健学科 准教授 寒川 美奈 先生
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