ムダのない動きやけがのないフォームを探る! スポーツ理学療法
ひじの痛みが下半身から?
理学療法士は、スポーツ選手がけがから復帰するためのリハビリテーションを行うだけでなく、けがをしない体づくりやパフォーマンスの向上もサポートします。スポーツチームの活動の場に出向いて、選手の体のチェックやトレーニング法の指導をすることもあります。
「徒手(としゅ)検査」は理学療法士のスキルの一つで、機器を使わずに自身の目と手だけで、筋肉の硬さ、関節の動き、体の使い方、力が出ているかなどをチェックします。痛みがある場合には、その原因を全身から探ります。例えば野球選手に多いひじの痛みが、肩甲骨や下半身の使い方からきていることもよくあります。理学療法士は、投球フォームから問題を見つけてフォーム改善やトレーニングのアドバイスをします。痛みをとるだけでなく、ムダのない効果的な体の使い方ができるように指導して、選手のパフォーマンス向上につなげていきます。
「投げる」動作も競技によりさまざま
そのスポーツにおける動作の特徴などを「競技特性」といいます。
例えば、野球とハンドボールの「投げる」動作は大きく違います。野球のピッチャーは、地面に両脚をつけて踏ん張って投げるのに対して、ハンドボールのシュートはジャンプしてから空中でボールを投げます。選手の体をチェックするときは、それぞれの「投げる」動作の特徴をふまえた対応をし、競技特性に合わせてトレーニング方法を考えます。このため、一つの競技を専門にしている理学療法士もいます。
プロ選手のフォームは理想的?
プロのアスリートのフォームはよいモデルですが、野球選手がみんなプロの野球選手のフォームをまねすればいいわけではありません。骨格や柔軟性、筋力などにより、理想的なフォームは変わるからです。
体づくりやフォームについての基本的な知識は本やネット、SNSで得られます。しかし、一人一人に合った体づくりやフォームを知るには、理学療法士やスポーツトレーナーなど専門家による個別のサポートが必要です。
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