目に見えない一日の活動量を加速度計で知る

目に見えない一日の活動量を加速度計で知る

活動量の分析

私たちは、朝目覚めると寝ていた状態から起き上がり、活動を始めます。じっと座っている時もあれば、慌てて走って移動する時もあるでしょう。一日の活動量を合計すると、通学した日と休日とでは差があるかもしれません。加速度計を体に装着してデータを取得し、一日の活動量を分析してリハビリに生かそうという研究が進んでいます。

意識せずに行う運動の把握

加速度計は上下、左右、前後の微細な動きを記録するものです。データのパターンにより、静かに座っている状態から、運動をしている状態までを9段階に分けて活動量を分類します。さらに運動は、激しいスポーツなどの高強度から、ゆったりしたウォーキングのような低強度まで3段階に分かれます。WHOでは、高齢者に対して、中強度の運動が1週間に150分以上必要という基準を定めています。これは一日に換算するとおよそ20分になりますが、意識した運動を20分間続けなければいけないわけではありません。例えば、急に玄関の呼び鈴が鳴ったので慌てて廊下を小走りした時間も、中程度の運動時間に含まれることがあります。このような動きは、本人にアンケートを取ったとしても、正しい合計時間は得られません。加速度計をつけて計測・分析することで、意識せずに行っている動きが、どれくらいの活動量になっているかを正しく知ることができるのです。

睡眠の質の判定

さらに、最近ではアクチグラフという、睡眠時の状態を分析できる加速度計の開発も進んでいます。単に睡眠をひとくくりにするのではなく、深い睡眠と覚醒の分布を調べることで、実際の睡眠の質が判定できるというものです。
リハビリの現場で理学療法士が1人の患者と接する時間は30分から長くても1時間程度であり、実際に患者が一日にどの程度の活動量があるか把握しにくいのが現状です。理学療法士が見ることのできない日常の動きが加速度計により分析できれば、より患者に適した理学療法が提案できるようになるでしょう。

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神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻 准教授 内田 賢一 先生

神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻 准教授 内田 賢一 先生

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保健学、理学療法学

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メッセージ

これをやっておけば必ず役に立つというものはありません。いろいろな経験をして、失敗をたくさんして、その中から役に立つことが出てくるのです。失敗は無駄なことではなく、「これをやったら駄目だった」という新しい学びです。失敗を恐れてできることだけをやっていたら、自分の能力は広がっていきません。やったことがないことをすれば失敗するのは当たり前です。いろいろなことにチャレンジして、失敗をたくさんしてください。いつかそれが、必ず役に立つはずです。

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