さまざまな個性の子ども同士が認め合い、快適に過ごせるクラスづくりを
学級経営ってどんなもの?
学級経営とは、児童生徒たちが学びやすく、居心地がよくなるようにクラスの仕組みや環境を整えることです。かつて学校は生徒を画一的な規則で管理し、「みんな同じ」であることを求めてきました。しかし、このような教育やクラスのあり方に児童生徒が不適応を起こし、「学級崩壊」が起こったのです。そこで教師や生徒たちがお互いの個性を認め合い、居心地よく感じる空間をつくろうとする学級経営の取り組みが始まりました。「運営」ではなく「経営」という言葉を使っているのは、現状を維持するだけではなく新たなチャレンジを行うことを意味しています。
人間関係をよくするルールの共有が大切
さまざまな個性の児童生徒たちがクラスで快適に過ごすための条件に集団生活におけるルールがあります。この場合のルールとは、個人がより自由により応援されるための共有事項のことです。例えば、誰もが言いたいことを言えるためには、「人の話を最後まで聞く」「ほかの人の気持ちを考えて発言する」「順番に発言する」などの行動の共有が必要です。しかし、児童生徒はさまざまな価値観や生活体験をもち、そうしたことをルールとして受け入れられないことがあります。そのようなときは、その児童生徒が「ルールを守れない理由」を理解し合う時間を設けたり、ルールそのもの変えたり、つくったりします。教師が決めた枠に生徒を当てはめるのではなく、生徒が生活の枠組みを決めることで一人一人がより主体的になり居心地のよさを高めていきます。
クラスでの経験は子どもの将来にも影響
学級経営は児童生徒の未来にも関わってきます。良質なクラスで育まれる力の一つに協働による問題解決能力があります。人生は課題の連続だと言われます。人が幸せな生活を創造するときに、他者と協働し問題解決できることは必須の能力です。学級生活を自らつくる営みは、人間関係形成やコミュニティづくりへの参画を通して自己実現を促します。このような観点からも、学級経営という取り組みは大きな注目を集めています。
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上越教育大学 学校教育学部 学校教育研究科 教授 赤坂 真二 先生
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