養護教諭としての専門性を生かして子どもたちを支援する
子どもたちの心身の健康に関わる養護教諭
「保健室の先生」として親しまれている養護教諭は、1905年、当時流行していたトラホーム(眼の結膜炎)の治療に携わる学校看護婦という形で始まりました。養護教諭と聞くと、学校で突然の発熱やけがをした際に応急処置をする看護師のようなイメージを持つ人も多いでしょう。しかし現在は身体的なケアだけにとどまらず、子どもたちが抱える悩み相談に応じるカウンセラー的な役割や、子どもの心身の健康づくりを効果的に進めるため、各学校の健康課題解決に向けた計画を立て、情報共有・連携をするなどの多岐にわたる役割を担っています。
保健室は学校保健のセンター的機能
保健室には病気やけがの手当のためだけでなく、悩みを抱えてやってくる子どもも多くいます。体の不調を訴える背景には別の事情があることも多く、会話を重ねながら観察し、隠れた原因を慎重に見極めて早期発見・対応を行います。課題や悩みに対しては学級担任や保護者、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、地域の関係機関などと情報共有し、どう連携すれば課題が解決するのか考えながら支援を行っていきます。解決にはチームワークが必要で、中心となって動く養護教諭の役割はとても重要です。また、病気やけがの予防のための指導をしたり、保健室の外でもコミュニケーションを図って課題解決をしたり、自ら積極的に情報を発信していく発信力も必要となります。
同じところはない、思いが詰まった保健室
普段何気なく足を運んでいる保健室も、各学校の健康課題を解決できるような独自のレイアウトが施されています。その時々の課題に合わせた配置になっていたり、本や備品が手に取りやすい場所に置かれていたり、時にはリラックスできる音楽を流したり。機能面まで考慮された保健室の空間全体に、養護教諭の思いが込められているのです。このように、専門知識や技能を生かし多岐にわたる重要な役割を担う養護教諭は、学校教育に欠かせない存在です。
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先生情報 / 大学情報
びわこ学院大学 教育福祉学部 子ども学科 教授 岩崎 信子 先生
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