生活でもビジネスでも必ず関わる、行政法の理念とは
主権者として行政法を知る
生活し、ビジネスを営むうえで必ず関わってくるのが行政です。行政は法律に基づいて活動しており、行政に関する法律は2000ほどに及びます。それらの法律を総称して行政法と呼びます。公益のため、国民の権利を制限したり、義務を課すためのものです。行政法の根底には、共通する理念や基本的な理論が存在します。私たちの営みに大きく関わる行政法を理解することは、主権者として重要なことです。
公益・国民のために対応し続ける行政
国の運営は、国の行政機関である内閣府や各省によって執行されています。行政は法の範囲で活動するため、さまざまな課題に法律を整備して対応します。1995年の阪神淡路大震災の教訓から、自衛隊の災害派遣要請が円滑にできるようになりました。また近年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、特別措置法や感染症法などが緊急に改正されて対応しました。
こうした法律は、その分野のプロである官僚が多様な選択肢を検討したうえで内閣が提案し、国会議員が決めています。さらに、首相によるトップダウンの政策決定をサポートするため、2001年に内閣府が発足し、2014年に国家公務員法改正により幹部官僚人事が内閣で一元的に管理されるようになり、また国をあげて行政のデジタル化も促進しています。
行政法をビジネス・経営に生かす
このように国の運営は、国民の利益や健康、安全、安心のために何をすべきかを考え、幅広い検討と議論のうえで政策決定が行われて成り立っています。さまざまな政策や改革が、社会にどのような影響を与え、どう機能しているのかを評価、検証することも大切です。また国の財源を調達するための税法も行政法のひとつで、生活やビジネスに必ず関わってきます。どんな行政法があり、課題は何か、実際の国家運営や組織を理解することで、ビジネス・経営など、さまざまなシーンでの対応に役立つものとなるでしょう。また公務員として行政の仕事に就くためには行政法の修得は必須です。
参考資料
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先生情報 / 大学情報
追手門学院大学 経営学部 経営学科 教授 百嶋 計 先生
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