AIが人間のように話したり、振る舞ったりするためには?

AIが人間のように話したり、振る舞ったりするためには?

人間らしい振る舞いとAIの関係は?

これからの社会はさまざまな場所でロボットをはじめとするAI(人工知能)がますます活用されていくことが予想されます。しかし、その扱い方は必ずしも容易ではありません。我々人間が日常的にコミュニケーションを取る手段でAIを扱えるのでしたら、より円滑にAIを活用できるようになることが期待されます。人間同士がコミュニケーションを取るときは、相手の表情や声のトーンなど、言葉以外の情報も多く使っています。会話中の相手の様子を観察することで、その人が何を考えているか読み解けるAIの研究が進めば、より自然な形で人間とコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

会話中の情報を学習し、より人間らしいAIを

従来のAIは、音声だけ、視覚情報だけなど、単一の情報源(モダリティ)だけでそれぞれ研究が進んでいました。しかし、機械学習技術の進歩により、大量な会話データから言葉や表情、声のトーン、頭の動きなど複数の情報源(マルチモダリティ)を同時に解析し、人間のコミュニケーションにおける潜在的な規則性を学習することで、これまで以上に人間に近いAIを生み出すことが可能となりました。

人間らしいAIを実用化へ

コミュニケーションをするAIの活用法として、新人教師が行う模擬授業での生徒役をCGのAIキャラクタに置き替えるシステムが開発されています。授業の様子を分析して、うまく進められているなら生徒が興味を持ったり、そうでなければ居眠りをしたり、具体的なリアクションをします。新人教員がAIの生徒に対するリアクションを分析することで、授業の改善に役立てることができます。
そのほかに、過疎地域にいる高齢者の話し相手をAIで補助させることも考えられます。ひとり暮らしの高齢者は人と会話する機会が少なく、日常の悩みを聞いてくれるなど、良い聞き手になってくれるAIがあれば喜んでもらえるでしょう。こういった日常生活のなかでも活用できるAIの技術を目指して、研究が進められています。

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先生情報 / 大学情報

福知山公立大学 情報学部 情報学科 教授 黄 宏軒 先生

福知山公立大学 情報学部 情報学科 教授 黄 宏軒 先生

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人工知能、ヒューマンインタフェース

先生が目指すSDGs

メッセージ

私が日本に来たのは26歳の時でした。もうそれほど若くありませんでしたが、それでも思わぬ方向に大きく人生が変わりました。多くの学生と接していて感じるのは、失敗を恐れて諦めが早い人が多いということです。まだ二十歳前後なのに、人生を決めつけてしまうのです。若いうちは転んでも立ち直れるチャンスがいくらでもあります。今、難しくて越えられないと感じる山は、長い人生から見ればただの丘でしかありません。本当に高くて険しい山は後ろに控えているので、若いうちにいっぱい転んで乗り越えていく体力を付けておいてください。

先生への質問

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京都にある公立大学「福知山公立大学」は「持続可能な地域づくり」に挑みます。地域経営学部は、地域社会の事業体が地域社会のあらゆる資源を有効に企画・運営・管理することにより、地域社会づくりや創り直しに寄与し「持続可能な社会」の形成に貢献するための学修を行います。情報学部は、先端情報技術を地域の生活や産業のあらゆる分野に応用し、暮らしを豊かにして社会の安定に寄与する地域モデルを構築するための学修を行います。
両学部は、地域住民・団体と協働して学び、研究を深める「地域協働型教育研究」が学びの特徴です。