AIが人間のように話したり、振る舞ったりするためには?
人間らしい振る舞いとAIの関係は?
これからの社会はさまざまな場所でロボットをはじめとするAI(人工知能)がますます活用されていくことが予想されます。しかし、その扱い方は必ずしも容易ではありません。我々人間が日常的にコミュニケーションを取る手段でAIを扱えるのでしたら、より円滑にAIを活用できるようになることが期待されます。人間同士がコミュニケーションを取るときは、相手の表情や声のトーンなど、言葉以外の情報も多く使っています。会話中の相手の様子を観察することで、その人が何を考えているか読み解けるAIの研究が進めば、より自然な形で人間とコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
会話中の情報を学習し、より人間らしいAIを
従来のAIは、音声だけ、視覚情報だけなど、単一の情報源(モダリティ)だけでそれぞれ研究が進んでいました。しかし、機械学習技術の進歩により、大量な会話データから言葉や表情、声のトーン、頭の動きなど複数の情報源(マルチモダリティ)を同時に解析し、人間のコミュニケーションにおける潜在的な規則性を学習することで、これまで以上に人間に近いAIを生み出すことが可能となりました。
人間らしいAIを実用化へ
コミュニケーションをするAIの活用法として、新人教師が行う模擬授業での生徒役をCGのAIキャラクタに置き替えるシステムが開発されています。授業の様子を分析して、うまく進められているなら生徒が興味を持ったり、そうでなければ居眠りをしたり、具体的なリアクションをします。新人教員がAIの生徒に対するリアクションを分析することで、授業の改善に役立てることができます。
そのほかに、過疎地域にいる高齢者の話し相手をAIで補助させることも考えられます。ひとり暮らしの高齢者は人と会話する機会が少なく、日常の悩みを聞いてくれるなど、良い聞き手になってくれるAIがあれば喜んでもらえるでしょう。こういった日常生活のなかでも活用できるAIの技術を目指して、研究が進められています。
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福知山公立大学 情報学部 情報学科 教授 黄 宏軒 先生
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