コードネームさえあれば指1本でも伴奏ができる
歌の指導での伴奏
音楽の授業などでの合唱の指導では、多くの場合に教師にピアノの伴奏が求められます。伴奏譜が存在する曲もありますが、必ずしも指導や教師の演奏技術に適しているとは限りません。指導の現場では合唱者の様子を観察しながらリードしなければならないので、楽譜を一生懸命見てピアノに集中するわけにはいかないのです。
コードネームを活用した伴奏法
そこで、コードネームを活用した伴奏を行います。コードネームとは和音を表す記号であり、C、Dm、G7のようにアルファベットと数字の組み合わせで成り立っています。最初の大文字は最も重要な音を英語音名で表しています。Cならド、Dmならレです。そのコードネームの重要な1音を、タイミングを合わせて指1本で弾くだけでも、メロディに合った伴奏となるのです。さらに、1つの音でもリズムを工夫すればより楽しい伴奏ができます。
例えばアニメソングの「おどるポンポコリン」を指1本で伴奏してみます。最初のコードネームから重要な1音を読み、次のコードネームが出てくるまで、その音だけをリズムをつけて弾いていればいいのです。合いの手が入る部分では、オクターブの違う同じ音を弾くのも効果的です。1音だけでも工夫をすれば立派な伴奏になることがわかります。
最新のJ-POPも伴奏できる
コードネームは和音を表すので、三和音を弾いたり、分散和音にしたりすれば、より複雑な伴奏にも発展します。また、曲に合わせたリズムを取り入れるのも重要です。幼児教育でのピアノ伴奏法はクラシック音楽をベースにしたものが主流ですが、童謡「おもちゃのチャチャチャ」はチャチャチャというラテン音楽のリズムを取り入れています。歌の指導でもさまざまなジャンルの要素が存在するので、それに対応したリズムとすることでより音楽が楽しくなります。
最新のJ-POPなどのポピュラー音楽は、曲のコードネームがインターネットで手軽に手に入ります。コードネームを理解すれば、そんな曲でも伴奏が可能です。
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皇學館大学 教育学部 教育学科 准教授 高橋 摩衣子 先生
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