講義No.14638 音楽 教育

大学で学ぶ音楽の魅力と楽しみ方

大学で学ぶ音楽の魅力と楽しみ方

ピアノを含めた「楽器を演奏すること」について

西洋音楽は、人の声、所謂「うた」から始まりました。その後に音楽は楽譜に記され、声は複数になり、ルネサンス時代に器楽が出現し、バロック期にはそれが確立されました。中でも鍵盤楽器は複数の音を同時に発音ができる為、一台でメロディ、リズム、ハーモニーを奏でる事が可能になりました。
バロック期の、とりわけバッハの作品の楽譜を眺めると現代においても全く色あせる事のない音楽の重要な法則がちりばめられております。例えば、各々のフレーズの中での順次進行と跳躍進行との関連、重音における協和音程(3度、6度)で進行しているフレーズや、主要3和音(ⅠⅣⅤ)を始めとする和声進行、調性、カデンツ等です。これらをどう感じ取り表現するのかが重要なのです。

同じ楽曲を全く違う演奏に変化させる面白さ

ピアノは電子オルガンと違って音色を変化させるレバーは無く、自分自身で音色を作らねばなりません。鍵盤に触れる際に、指先のどの部分を使うか、手首や指の付け根の部分の緊張感をどう持続させ、どこで緩めるか、同時に発音する和音の中で強調する音、抑える音のバランスを考える等試行錯誤しながら学んでいくことが大切です。
楽器を演奏することや音楽を更に深めようとすると、曲の構成を俯瞰し、それぞれの場面に見合った音色を弾き分けることによって、楽曲に息吹が吹き込まれる面白さも学ぶ事ができます。単調だった曲に、まるで物語を読んでいるかの高揚感が生まれるのです。
演奏者自身が音程や音色を作るヴァイオリン等とは違い、ピアノは触れば音が出ると思われがちですが、打鍵する場所やそのスピード、体の使い方、残響を生み出すペダルの細やかな使い方等により、同じ曲を演奏する演奏者の数だけ違う演奏が生まれます。

大学で音楽を学ぶこと

大学で音楽、演奏を学ぶことに対するイメージはそれぞれだと思いますが、大学には自身が求める表現を具現化するための知識や技術を学ぶ多くの場が存在します。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

茨城大学 教育学部 学校教育教員養成課程 教科教育コース音楽選修 教授 田中 宏明 先生

茨城大学 教育学部 学校教育教員養成課程 教科教育コース音楽選修 教授 田中 宏明 先生

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芸術実践論、音楽、ピアノ

メッセージ

ピアノなど楽器を人前で演奏することは、多くの人にとって大変緊張する出来事だと思います。どういう事前準備をしたら思い通りに実力を発揮できるのか、視野を広くして考えてみましょう。また、目標に到達するためのスケジュールの組み方、効果的な練習方法を模索するのも大切なことです。こうした思考は極度の緊張を強いられ、試験当日に最高のパフォーマンスが求められる受験勉強にも通用するでしょう。緊張の中でより良いパフォーマンスを発揮するためのヒントを、音楽を通して学んでみませんか。

茨城大学に関心を持ったあなたは

茨城大学は、人文社会科、教育、理、工、農、地域未来共創学環の5学部1学環からなる国立の総合大学です。本学の特色である「プラスIプログラム」は、どの学部・学環でも「サステイナビリティ学」「数理・データサイエンス・AI」「アントレプレナーシップ」「グローバルコミュニケーション」といった多様なプログラムから選んで「もうひとつの力」を身に付けられます。また3年生の秋シーズンには「iOPクォーター」があります。必修科目を原則的に開講せず、海外研修やインターンシップなどの学外活動に取り組むことができます。