生きていく場所としての地域の魅力とは?

生きていく場所としての地域の魅力とは?

自己形成に対する地域の影響を知る

人は暮らす場所から常に影響を受けています。中でも成長期に暮らしていた場所からは、自己形成に大きな影響を受けるものです。
そこで、どんな影響を受けてきたかを知る方法に取り組んでいます。具体的には、通学路の簡単な地図を描き、印象に残っている場所をエピソードと共に記述します。学校の校訓や校歌、部活動、地域の社会見学、ボランティア活動、遠足や修学旅行なども書き出し、地域をどのように学んできたかを振り返ります。同じ地域のほかの人と見せ合ってみると、記憶がよみがえったり、自分にとっては何でもない場所が誰かにとっては大切な場所だったことがわかったりします。自然環境や住民の雰囲気、地域のルールや価値観などにも影響されていることにも気づくでしょう。

地域の中の人の思いを丁寧に掬い取る

社会や時代の変化によって、地域は変わっていきます。ただし、変わってほしいもの、変わってほしくないもの、変わっても構わないもの、どれも人それぞれです。何を残し、何を変えていくかを考え決めるには、人の思いが地域の中でどこにどのようにあるのかを丁寧に掬い取ることが欠かせません。前述のような地図作りは、そのための方法の一つです。例えばカフェを好きな人が作った地域のカフェマップが、新しく地域で暮らし始めた人たちに喜ばれることもあります。個人の視点で作られた地図は、地域の魅力を他者に伝える手段ともなるのです。
地域の課題の論点を立て、それに基づいて調査を行い、課題解決のための行動を取れる力を育むために、地域の身近な自然体験会の企画などさまざまな活動が行われています。

暮らす場所を選ぶことは生き方を選ぶこと

大人になり、暮らす場所を自分で決められるようになったとき、どんな所を選ぶのでしょうか。その場所で生きていきたいと思うのは、地域の何が理由でしょうか。地域の中で人間関係を築き、地域社会にコミットすることは、まさに人生を築いていくことであり、主体的に考えて行動できるかどうかがカギです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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専修大学 ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科 准教授 杉田 このみ 先生

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メッセージ

誰もが幸せであること、大切に思う人を幸せにできることを望むでしょう。ただ、何が幸せかは人によっても時代や社会によっても異なり、社会や時代が変わると、個人の幸せの尺度も変わるかもしれません。そのため、幸せだと感じられる引き出しをたくさん持っておく方がいいと思います。学びを通じて引き出しが増えていくことが、大学で学ぶことの醍醐味(だいごみ)です。まずは、生きているだけで素晴らしい。そこにプラスして、どう生きていきたいかを、一緒に対話して考え、何かのかたちにできたらうれしいです。

先生への質問

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専修大学は、1880年(明治13年)に経済科と法律科からなる専修学校として創立されました。「経済科」は日本初の、また「法律科」は私学で初の高等教育機関でした。2024年に創立145年を迎える、日本でも屈指の伝統を持つ大学です。社会科学、人文科学、総合科学、の3系統、8学部20学科からなる社会人文系総合大学として、「自ら問題を見つけ主体的に解決する知力」と「人間力」、「倫理観」を持った人材を育成しています。まずはオープンキャンパスの大学紹介や模擬授業に参加して、大学の雰囲気を体感してみてください。