持続可能な商店街に必要なものは

持続可能な商店街に必要なものは

衰退が進む商店街

商売は人が集まる場所で生まれます。昔の城下町や寺院の門前に自然発生的にできた市(いち)の多くは、近代の市場や商店街のベースとなりました。そこに戦後は企業が計画的に作るスーパーマーケットやショッピングセンターが進出し、競争が激しくなりました。加えて近年のネット通販の浸透もあり、日本各地の商店街の衰退が進んでいます。

「自発的」な商店街ならではの難しさも

商店街衰退はスーパーマーケットやショッピングセンターとの品揃え、価格での競争だけでなく、店主の高齢化やライフスタイルの変化も挙げられます。かつて店主は店に住み早朝から開店しましたが、店主が離れて住居を構え、お店へ通勤するようになったため営業時間が短くなり生活時間の長くなった客が利用しにくくなった例があります。
行政が経営コンサルタント等を「地域コーディネーター」として活性化に取り組む例もありますが、商店街は人が自然に集まり形成されたものが多いため店主は必ずしも商店街全体の品揃えや商店構成に積極的ではなく、「閉店時は人に店を任せるか、新店を入れる」といった要望を主張しにくいケースが見られます。また、高齢化はキャッシュレス等への対応遅れも起こす等、商店街や店主にある程度の強制力が必要と示唆する研究者もいます。

コミュニティとしての商店街

商店街には「商業集積地」として商品やサービスの提供だけでなく、地域の人が集まる「コミュニティ」機能があります。例えば地元の若者が商店街でイベントを開催したり、子どもの遊び場を設ける動きは人と情報が集まる商店街ならではといえます。また、競合のはずのショッピングセンターが地元商店街に出店し互いの不足要素を補い共存を計る事例は、「ショッピングセンターvs.商店街」という対立構造ではなく地域のステークホルダーが地域コミュニティとしての商店街の存続を模索する動きとして注目されます。新時代のライフスタイル、トレンド、IT等を取り込み、地域社会に不可欠なものとして商店街のあり方が今、問われています。

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関西国際大学 経営学部 経営学科 講師 齋藤 勝洋 先生

関西国際大学 経営学部 経営学科 講師 齋藤 勝洋 先生

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経営学、マーケティング論

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メッセージ

もし「毎日が面白くない」と感じているなら、まず、日々の生活で出会うものごとに対し「なぜ?」と問いを立てて考えてみましょう。「ペットボトルジュースはなぜこのサイズなのだろう」とか、「今シーズンはなぜこの服がはやっているのだろう」とか、「当たり前」だとそのまま思わず、少し視点をずらし疑問を持てば、社会の動きや企業の様々なマーケティング戦略が見えてきます。マーケティングは身近なものが学びに繋がり、意外な繋がりから新たな価値を生み出す学問です。マーケティングを学ぶことで、毎日が面白くなるのは確実です。

先生への質問

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