世界共通のビジネススキルを身につけよう!
会計はビジネスを投映するレンズ
会計という研究分野には、「簿記を身につける勉強?」とか「いつも電卓を使っている?」といったイメージがあるかもしれません。確かに、簿記もビジネスを記録する大切な技術の一つですが、会計を学んで得られるのはそれだけではありません。
会計はしばしば、ビジネスを投映する1枚のレンズに例えられます。世界中、どんなに複雑な事業を展開している企業でも、会計に関するわずかな書類を見るだけで、たちどころにその全貌が明らかになります。会計はビジネスにおける重要なインフラであり、コミュニケーションのツールでもあるのです。
会計を通して何がわかるのか
企業は、主に財務諸表(決算書)と呼ばれる会計書類を通じて、ステークホルダー(取引先や株主、金融機関などの利害関係者)に自社の財政状態や経営成績を報告します。もちろん経営者も自分の経営がうまくいっているのかを知るために財務諸表を利用しています。財務諸表のなかでも、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書の3つは財務三表と呼ばれ、特に重視されている情報です。
財務三表を分析すれば、その企業がどのような事業を展開していて、何が成功しているのか、何に課題を抱えているのか、端的に把握することができます。「会社の利益にもっとも貢献している事業は何か?」「新規事業の売り上げは順調に伸びているのか?」といった分析をする際にも、財務三表は判断材料として大いに役立ちます。
これからの企業報告
最近では、企業に期待する成果や企業とステークホルダーの関わり方も変わりつつあります。持続的な成長に向けたさまざまな取り組みを統合報告書として発表する企業も増えてきました。現代社会では、経済活動、ガバナンス、環境・社会活動といった指標による企業の価値や将来性の判断が必要とされています。そのために会計は企業の活動を投映する歪みや曇りのないレンズとして、今後も重要な役割を担っていくのです。
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先生情報 / 大学情報
玉川大学 経営学部 国際経営学科 教授 伊藤 良二 先生
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