現実と仮想が融合したxR(エクステンデッドリアリティ)の世界
高性能スマホで広がったxR
「VR(バーチャルリアリティ:仮想現実)」は、ゲームの世界でおなじみかもしれません。仮想空間の技術には、VRのほかにも現実世界に仮想世界を重ね合わせる「AR(拡張現実)」、現実世界と仮想世界を融合する「MR(複合現実)」があります。こういった技術を総合して「xR(エクステンデッドリアリティ)」と呼ばれています。このような技術は実は昔からありましたが、価格も高く一般的ではありませんでした。しかし、スマホなどのモバイル端末が普及し、位置などの正確な空間情報を得られるようになったため、誰もが手軽にxRを楽しめる時代になったのです。
自宅にいながら家具や庭をコーディネート
xRの普及で、例えば、ネットで家具を購入したいとき、部屋にスマホのカメラをかざせば、画面の部屋の中にデスクやベッドが現れ、配置をシミュレーションできます。家具が部屋にピッタリ収まるか、インテリアと調和しているかを、自宅にいながら確認できます。また、庭のリフォームやガーデニングをシミュレーションできるアプリも登場しています。壁材、植栽の素材や色などを指先で簡単に合成でき、より自分好みの施工ができるようになりました。
社会的課題をxRで解消できる
インターネット上の仮想空間「メタバース」も、話題に上るようになりました。VRグラスを通した立体画像は、目の前にその世界が広がっているような迫力と没入感に驚かされます。コロナ禍で思うように外出できない中、メタバースなら自由にさまざま人と交流ができます。今ではメタバースの中で、仮想通貨でものや情報の売買も盛んに行われています。xRの技術は、産業面では自動車の試乗体験や旅行会社による観光体験など多方面で活用が広がりつつあります。また今後は、地質調査や医療のリハビリ、教育分野などにも応用されるでしょう。今まで解決が困難だった社会的課題が、xRによって解消される未来はすぐそこなのです。
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先生情報 / 大学情報
神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 教授 酒井 雅裕 先生
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