企業の経営者が一番大切にすべきことは何?
企業経営とリーガルマインド
日本は契約社会であり、日常生活の様々な場面で法律と関係しています。一方で、絶対的な「正解」が存在するとは限らず、自己防衛のためには、法律的に物事を考える力(リーガルマインド)を養うことがとても重要です。企業経営においても、法律を理解することは自社の利益を守り、持続的に成長させ、そして企業価値の向上を実現すると同時に、コンプライアンスやガバナンスの徹底のためにも必要不可欠です。
企業経営とステークホルダーとの関係
企業経営は株主をはじめとするステークホルダーとの共存共栄が、熾烈な競争を勝ち抜き、持続的に成長していくためにとても重要です。株主、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会、行政といったステークホルダーとの円滑な関係の構築が経営者にとって最も重要な仕事であり、かつ、最も頭を悩ませる仕事になります。例えば、企業の利益をどの様に配分するのか。株主のために配当還元をするのか。あるいは、ボーナスや給料アップ等により従業員に報いるか。更には、顧客のために値下げや利益還元セール等を行い、ライバル企業との差別化を狙うか。将来を見越して新商品開発のための先行投資を行うか。また、地域社会のために、美術館の設立等文化の育成支援、森林植樹等の環境保全、あるいは人材育成のために奨学金基金等を設立するといった社会貢献活動を行うか。経営者は企業の置かれている状況に応じて、様々な選択肢の中から即時に優先順位を判断し、適切な判断をしていかなければなりません。
持続的成長のための経営課題
時代の変化やテクノロジーの進展に伴い、人々の働き方や企業を取り巻く環境は刻々と変化しています。働き方改革は企業に対して長時間労働の是正や非正規雇用も含めた同一労働同一賃金の実現を促し、新型コロナウィルスの流行はテレワークという勤務形態を促進しています。コンプライアンスを徹底し、ガバナンスを強化しながら持続的成長を実現するために、経営者は様々な経営課題を突きつけられ、そして解決策を見いだしています。
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先生情報 / 大学情報
帝京平成大学 人文社会学部 経営学科 経営コース 教授 鈴木 祥司 先生
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