身の回りの見えない新型コロナウイルスを、光の力でやっつけろ!

身の回りの見えない新型コロナウイルスを、光の力でやっつけろ!

ウイルスとは何か?

ウイルスは粒子内にRNAかDNAのどちらかを持っています。ウイルスの形や大きさはさまざまで、インフルエンザや新型コロナの様な馴染みのある感染症だけでなく、エボラ出血熱やがんなどを引き起こす恐ろしいウイルスもたくさんいます。どのウイルスも生きた細胞でのみ増殖することができ、一つの感染細胞から膨大な数の子孫ウイルスが産生されます。

新型コロナウイルスを不活化させる深紫外光

ドアノブやつり革などの環境中ではウイルスは増殖しませんが、条件によっては感染性を長時間にわたり維持したままとどまっています。新型コロナウイルス感染症の有効な予防策の1つとして注目を集めるのが、それら周辺環境にとどまっているウイルスに、深紫外光を当てることで不活化する方法です。深紫外光とは、紫外光の中の波長約200~300㎚(ナノメートル)程度の光を指します。この波長の光は、ウイルスを構成するRNAに強く作用して、RNA分子の変性によりウイルスの複製を阻害し、不活化すると考えられています。

不活化に必要な深紫外光の定量化

深紫外光を発する光源には、小型で軽量、電力も少なくて済み、非接触で対応できるなどの特長を持つ深紫外LEDを用います。深紫外光(265nm、280nm、300nm)における新型コロナウイルスの不活化に必要な光量の定量化を行うため、ウイルスの感染性が維持され、且つ深紫外光が吸収されない溶液中にウイルスを入れて照射実験が行われました。その結果、不活化99.9%と不活化に必要な深紫外光の定量化に成功したと同時に、あらゆる環境に応用可能な不活化基礎データの取得に成功しました。深紫外光は、照射する距離が遠くなるほど効果は減衰したり、物に当たると吸収されたり屈折したりすることなど、克服しなくてはならない要素もあります。しかし、人から人への感染を減らす有効策として、今後、より優れた深紫外光によるウイルス不活化装置の開発に、大きな期待が寄せられています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

徳島大学 医学部 医学科 微生物病原学分野 准教授 駒 貴明 先生

徳島大学 医学部 医学科 微生物病原学分野 准教授 駒 貴明 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

医学、ウイルス学、微生物学、工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

新型コロナウイルスのワクチンは比較的早く開発され、接種が進みました。治療薬の開発も始まっていますが、それを可能にしたのは、ウイルス研究を世界中で長年続けてきた経験があったからです。
しかし国内に目を向けると、ウイルスやワクチン開発の専門的な研究者は、まだまだ少ないのが現状です。ウイルス感染症はなくなりません。新たなパンデミックがいつ、どこで発生するかもわかりません。ですからウイルス研究はこの先もずっと必要です。言うなれば、次に人類を救うのはあなたたちなのです!

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
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徳島大学に関心を持ったあなたは

徳島大学は有為な人材の育成と学術研究を推進することにより、人類の福祉と文化の向上に資するため、自主・自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し、世界に開かれた大学として豊かで健全な未来社会の実現に貢献することを理念としています。
豊かな緑、澄み切った水、爽やかな風、温暖な気候に恵まれた徳島の地にあって、「知を創り、地域に生き、世界に羽ばたく徳島大学」として、発展を目指しています。