社会を変革する人材を育てるアントレプレナー教育
社会を変革する人財を目指して
アントレプレナーという言葉を知っていますか? 日本では単に「起業家」と訳してしまいますが、「社会を変革する人財」という意味を与えられている場合もあります。今や日本人の美徳とされた「分析や計画をしっかり行う」「几帳面」「与えられた課題を突き詰めるのが得意」といった美徳が、「計画過剰」「行動に踏み出すことができない」「新しいものを怖がり避ける」といった悪癖に転落しつつあります。この状況を打破し、社会を変革する人材の育成こそがアントレプレナー教育の大きな目標です。
プロジェクトへの参加で仕組み創りを学ぶ
夢や理想を実現するには、そこに至るまでの地図を描く必要があります。そのためには、まず理想の状態から逆算(バックキャステング)し、実現に必要な要素や許容できるリスクなどを見定めていきます。しかし、それだけでは机上の空論に終わってしまうため、自らが成熟し自分で行動するために必要な熟達を意識的に達成する必要があります。現実の企業や自治体が取り組む新規事業や、新産業の創造に携わり、世界を変えるための仕組み創り(システムメーキング)を学ぶ必要があります。現場での知識やノウハウを自らの血肉とすることで、人を動かし世の中の仕組みを変えていく方法を学んでいきます。
前に踏み出し実現していく人財へ
こうした学びを実践して自らの課題として「ワガコト」としつつ、課題を解決するための事業を始めた人たちがいます。例えば、廃棄されてしまう野菜を使ったピザの販売や、地域に根付いていた「助け合い」や「お裾分け」の文化を可視化する暗号通貨の開発など、さまざまなアイデアが実行されてきました。ここで得られたノウハウや失敗の経験は、アントレプレナーをめざす後輩たちに伝えられます。なぜなら、人に教えることで知識がしっかりと定着し、学びの連鎖が生まれていくからです。アントレプレナー教育は自分の進むべき道を主体的につかみ、これからの未来を切り開く力を育てる学びの場なのです。
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先生情報 / 大学情報
金沢大学 融合学域 先導学類 教授 松島 大輔 先生
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アントレプレナー学先生が目指すSDGs
先生への質問
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