AIの教育活用が学習者の自発性を引き出す!
受け身の姿勢から自発的な学びへ
人間の発達は、知的側面と情緒的側面の2つに分かれています。若い人が精神的に自立して、人間的に成熟するためには「学び」が必要です。今までの教育は、学習者に「あれをしなさい、これをしなさい」というインプットを与える方式でした。このやり方では、学習者は受け身の姿勢にならざるを得ず、自発性を引き出せないという課題がありました。近年、ChatGPTをはじめとするAIが注目を集めて人々の生活に急速に浸透しつつあります。このAIは思考を補助するうえで大変優れたツールであり、AIを教育に有効に活用することで、学習者の学びは大きく変わることがわかりました。
AIを使いこなすのは簡単じゃない
AIは一般的には便利な道具だと見なされているため、それを使うのは楽をしていると思われがちです。しかしながら、AIを動かすためには「プロンプト」と呼ばれる指示文を作る必要があり、どのような文章を作るかによってAIの活動は大きく変わります。多くの場合、最初に作るプロンプトは漠然としたものになりがちで、こちらが求めているような答えを出してくれません。失敗を通じて、学習者は自分が何を伝えたいのか、何が欲しいのかを考え直してプロンプトを改善していきます。AIに的確な指示を出すことは、決して簡単ではないのです。
AIの教育活用が切り開く可能性
プロンプトを修正するプロセスは、学習者に自発的な学びを促します。その結果として、学習意欲や思考力、コミュニケーション力などの社会性においても目覚ましい向上が見られました。
学習者の興味や関心をいかに生かすかは現在の大きな教育課題となっており、自ら学び考える力を養う「探究型学習」を通じて好奇心を掘り下げる方法が世界的に模索されています。AIを教育にうまく取り入れることによって、一人一人の興味関心に対して積極的にアプローチできるようになりました。このようにAIの教育活用は、大きな可能性を秘めているのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
浦和大学 こども学部 こども学科 講師 柴田 崇浩 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
臨床心理学、発達心理学、心理学先生への質問
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?