技術と人を活かして、生活を豊かにするための経営学
ビジネスモデルとICT
検索エンジンや地図アプリ、SNSなど、今日ではICT(情報通信技術)を用いたさまざまなサービスが展開されています。それらサービスは企業によって運営され、売上げを増やす仕組みにも違いがあります。こうしたサービス以外にも、商品や原材料の発注・受注、顧客に届けるまでの物流の最適化など、ICTは製造業や小売業などあらゆる業界のモノや情報の流れを効率化し、ビジネスモデルを変えていく役割を果たしています。人々の生活をもっと豊かに便利にするために、新しいサービスは絶え間なく生み出されていますが、そこにあるビジネスモデルもまた、どんどん進化しているのです。
人間のアイディア・能力の活用
ICTの活用と同様に、経営が上手くいっている企業では、社員のアイディアや能力を最大限に活用する仕組みづくりにも力を入れています。いかに新しいモノや技術を作り出すか、そしてそれらをいかに顧客が欲しくなるような形で提供するか。これらは企業にとって重要な経営課題で、そのためのビジネスモデルの工夫や仕事の仕方の工夫があります。成長を続けられる企業には、人の能力を活用する仕組みも備わっているといえます。
組織と組織での行動を考える学問
このように、ICTなどの技術や人の能力を活用しながら、企業がいかに組織としての力を高め、組織のパフォーマンス(売上高や利益など)を向上させているのかを明らかにすることは、経営学の重要な研究テーマの一つです。実際の企業事例を調査・分析する「定性的研究」という手法では、経営陣をはじめ、さまざまなレベルで意思決定や研究開発に携わる人たちにヒアリングを行いながら、その企業のビジネスモデルや強みを構成している要素を明らかにしていきます。現代社会では、すべての人が何らかの組織と関わりながら生きています。組織と組織での行動を分析し、より良くするための方法を考える。そのための理論を提供してくれる経営学は、誰にとっても役立つ学問のひとつであるといえるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
一橋大学 商学部 教授 西野 和美 先生
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