私という人物をどう伝えるか~自己紹介から映像メディアを考える
自分のことをどのように表現するか
知らない人との初めての集まりや面接試験では、自己紹介を求められることがあります。あなたは自分のことを、どのように表現しますか? 自己紹介として、いくつもの「趣味」や「推し」を話す人がいますが、それらをたくさん並べたとしても自分自身を紹介できたことにはなりません。また、自分の特徴について「私はコミュニケーション能力が優れています」「感受性が豊かな人間です」と言ったとしても、初めて会った人には、それがどの程度のものなのかは伝わりません。ではどうすればいいのでしょうか?
自己紹介に他人の視点を取り入れる
単に好きなものを並べ立てたり、本人が自分自身を評価したりするだけでなく、そこに「他人」の軸を加えると、自分の特徴が伝わりやすくなります。例えば、「部活でトラブルがあったが、周りの人とのこのようなやりとりで困難を解消した」というような誰かが絡む具体的なエピソードを挿入する、あるいは、家族や友人などが自分に宛ててくれた手紙の内容を紹介してみる、といった手法が考えられます。決められた短い時間の中で、他人の視点を取り入れながら、いかに自分語りができるのかが、自己紹介にとって重要な鍵になるのです。
映像メディアの特徴とは
実は、映像メディアの作り方も自己紹介と同じ構造になっています。訴えたいテーマに対して、より具体的なエピソードを挿入し、さらにエピソードを映像にして見せることで、視聴者に伝わりやすくしているのです。人物の紹介をする場合に、どんな表情でどんな声をしているのかという、その人の雰囲気を伝えるポテンシャルは、活字メディアよりもテレビ番組のような映像メディアの方が高いと言えます。そういったテレビ番組の特性は、ドラマや音楽番組において情感を伝える時にも発揮されています。伝えたいテーマを的確に伝えるためには、メディアごとの特性を踏まえた上で、それに合わせたコンテンツを作成することが重要で、そこにとっておきの自己紹介ができるようになる鍵があるのです。
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上智大学 文学部 新聞学科 教授 水島 宏明 先生
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