女性の出産体験に助産師がどう関わっていくか
看護学 母性看護学・助産学
看護学は、看護の方法を理論と実践の両面から探究する学問で、看護師・助産師になるためには「学ぶこと」が必須です。
看護学の中でも、対象となる人の状態や状況によって分野(領域)が分かれています。「母性看護学」は、妊娠・出産・産後の女性、胎児・新生児とそのご家族を対象として、女性の一生を通した健康の維持・増進、病気の予防を目的とした看護活動を支える学問領域です。「助産学」は、出産時のケアを核として、女性の生涯を通しての性や生殖に関わる健康生活の質向上を目的とした助産活動を支える学問領域です。
「母性看護学・助産学」の分野では、妊娠から出産、産後、新生児を中心とした母子に関すること、その看護に関すること、助産師に関することはもちろんのこと、父性や、男女を問わない思春期や更年期のヘルスケア、ライフステージにおけるホルモンの変化など、研究の対象は幅広いものとなります。
調査研究から見えてきたもの
この幅広い対象の中で、女性の出産体験・出産満足に助産師がどう関われるかという研究があります。出産時の陣痛の痛みを少しでも軽くするためには、リラックスできることがとても重要で、リラックスするためには色々な方法があることがわかっています。そこで、出産した9名の女性に「お産の時にリラックスできたと感じられることはあったか?」「具体的にどのようなことでそう感じたか?」とインタビューが行われました。9名全員が「リラックスできた場面があった」と回答し、リラックスできたと感じた状況(場面)として114の場面が挙げられ、そのうち助産師が関与することが94場面もありました。この調査から出産の時のリラックスに助産師が大きく影響することがわかりました。
より良い出産体験に
「バースレビュー」と呼ばれる、出産した後の女性が自身の出産体験について振り返り、語ることについての研究が進んでいます。この研究はまだ途上にあり、研究活動を継続していくことで、より良い出産環境の構築につなげられるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
帝京平成大学 ヒューマンケア学部 看護学科 准教授 坂田 清美 先生
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