多様なアプローチで生活習慣病患者をサポート
生活スタイルの見直しが欠かせない生活習慣病
「患者への指導」は、看護師の大切な役割の一つです。特に患者指導が重要になるのが生活習慣病です。高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病はその名の通り、栄養の偏った食事、運動不足、たばこ、過労など、健康によくない生活習慣が大きな原因であり、今の生活の何が問題で、どう変えていけばよいのか、患者に指導することが欠かせません。生活スタイルが変わらないままでは、きちんと薬を飲んでいても病気が進んでしまうこともあります。
「できない」を「やろう」に変える患者指導
食事や運動の習慣を変えるのは、誰にとっても難しいものです。そこで看護師は、その人が「やろう!」と思える方法を具体的に示します。例えば「コンビニ飯」など外食が多い患者の食事指導なら、商品やメニューを選ぶときの注意点などをわかりやすく伝えるのです。
どんな方法なら患者がやる気になるのか、看護師は患者の生活パターンだけでなく、性格、価値観、家族のサポート、病気との向き合い方など、いろいろな情報をもとに工夫します。一人ひとりに合ったアプローチは、医療職の中で患者に最も近い看護師だからこそできることです。
患者と病気との長いおつきあいをサポート
糖尿病の食事療法は、その人にあったカロリーを摂取するのが基本です。中には甘いものが大好きで、我慢するのはとてもつらいという患者もいます。その場合、看護師は医師や管理栄養士とも相談しながら、その人の病状に合わせた食事の内容や量、時間を考えていきます。
生活習慣病は多くの場合、完全に治すのは難しく、患者は一生、病気とともに生きていかなくてはなりません。病状によって我慢しなければならないこともありますが、制約の多い生活はつらいものです。看護師は各専門家に患者の気持ちや希望を伝え、相談しながら、患者が前向きな気持ちで病気とつきあえる方法を探します。看護師は、病気と長くつきあっていく患者をそばで支えるサポーターでもあるのです。
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東北文化学園大学 医療福祉学部 看護学科 講師 村上 大介 先生
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