講義No.13172 看護学

多様なアプローチで生活習慣病患者をサポート

多様なアプローチで生活習慣病患者をサポート

生活スタイルの見直しが欠かせない生活習慣病

「患者への指導」は、看護師の大切な役割の一つです。特に患者指導が重要になるのが生活習慣病です。高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病はその名の通り、栄養の偏った食事、運動不足、たばこ、過労など、健康によくない生活習慣が大きな原因であり、今の生活の何が問題で、どう変えていけばよいのか、患者に指導することが欠かせません。生活スタイルが変わらないままでは、きちんと薬を飲んでいても病気が進んでしまうこともあります。

「できない」を「やろう」に変える患者指導

食事や運動の習慣を変えるのは、誰にとっても難しいものです。そこで看護師は、その人が「やろう!」と思える方法を具体的に示します。例えば「コンビニ飯」など外食が多い患者の食事指導なら、商品やメニューを選ぶときの注意点などをわかりやすく伝えるのです。
どんな方法なら患者がやる気になるのか、看護師は患者の生活パターンだけでなく、性格、価値観、家族のサポート、病気との向き合い方など、いろいろな情報をもとに工夫します。一人ひとりに合ったアプローチは、医療職の中で患者に最も近い看護師だからこそできることです。

患者と病気との長いおつきあいをサポート

糖尿病の食事療法は、その人にあったカロリーを摂取するのが基本です。中には甘いものが大好きで、我慢するのはとてもつらいという患者もいます。その場合、看護師は医師や管理栄養士とも相談しながら、その人の病状に合わせた食事の内容や量、時間を考えていきます。
生活習慣病は多くの場合、完全に治すのは難しく、患者は一生、病気とともに生きていかなくてはなりません。病状によって我慢しなければならないこともありますが、制約の多い生活はつらいものです。看護師は各専門家に患者の気持ちや希望を伝え、相談しながら、患者が前向きな気持ちで病気とつきあえる方法を探します。看護師は、病気と長くつきあっていく患者をそばで支えるサポーターでもあるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東北文化学園大学 医療福祉学部 看護学科 講師 村上 大介 先生

東北文化学園大学 医療福祉学部 看護学科 講師 村上 大介 先生

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先生が目指すSDGs

メッセージ

患者さんへの指導は、その人が今、置かれている状況を理解したうえで、その人に合った提案をすることが大切です。教科書通りにはいきませんが、患者さんに「やってみます!」と言ってもらえたときは大きな喜び、やりがいが感じられます。私は、看護師の仕事に向き・不向きはないと思います。いろいろな患者さんがいますから、看護師もいろいろな人がいたほうがいいのです。多様な人が集まり、それぞれが自分の個性や強みを発揮しながら患者さんのために働けると、よりよい医療が提供できると思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

東北文化学園大学に関心を持ったあなたは

東北文化学園大学は、仙台・国見の丘にキャンパスを持ち、医療・福祉・社会・経済・工学・情報の幅広い学びができる総合大学です。「実学教育」を教育理念に掲げ、専門職業人を育成する大学です。2021年4月から新しい学部を設置し、学際的な教育環境がさらに充実しました。また、「キャリアサポートセンター」の就職支援と相成って、例年高い就職率を誇り、卒業生は各業界で高い評価をいただいています。