コンピュータの間違いを指摘できる? 誰もがわかるスマートデザイン
すべて任せて大丈夫?
コンピュータによって仕事の効率化や人手不足解消が進んでいます。しかしコンピュータがやっていることを誰もが理解できるようにならなければ、将来問題が生じるかもしれません。例えば監視カメラが自動で人数を数えるとします。もし数えた人数が実際の人数と違っていたとき、ユーザはそれが間違いだとわかるでしょうか。判断に至るまでの経緯がわからなければ、間違いやその原因を理解することは困難です。
人とコンピュータの課題は似ている
人間同士のやりとりにも、同様の場面はたくさんあります。例えば仕事を引き継いだとき、前任者がきちんと資料を作っていなければ、これまでの背景や方法が理解できず困ってしまいます。仕事の内容に変更が生じたときも、従来の方法をどう変えていいのか判断できません。だからこそ経緯を省かず記録し、わかりやすく開示することが大切なのです。これは人とコンピュータのやりとりにも当てはまります。
「知識体験デザイン」の必要性
コンピュータが判断を下すまでの過程を人が理解するためには、専門家以外が見ても仕組みがわかるようなソフトウェアのデザインが必要です。これは「知識体験デザイン」と呼ばれており、ソフトウェア工学の分野で研究が始まりました。
知識体験デザインが採用されたソフトウェアを博物館での展示分析に役立てている事例があります。博物館を訪れた人が展示物をどう鑑賞したのか、センサーで観測した値からさまざまな計算で情報化し、博物館の職員向けに見られるようにするソフトウェアが作られました。コンピュータが導き出したいくつもの結果からユーザに選んで見てもらい、展示物の評価や展示方法の改善に役立てることが可能です。また、なぜその結果になったのか、コンピュータが行った計算の過程も博物館職員でも理解できる形で開示すれば、博物館側もさまざまな状況に適応して結果を解釈することができます。こうした知識体験デザインがより多くの分野にも普及すれば、人がコンピュータをより活用できる社会を築いていけるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
会津大学 コンピュータ理工学部 コンピュータ理工学科 教授 吉岡 廉太郎 先生
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