ロボットが相棒に! 仕事や暮らしを支える協働ロボット
人間をサポートする協働ロボット
人の隣で人と協力して働く「協働ロボット」の研究が進められています。一例として、工場で製品を作るときに人の隣で作業をサポートするロボットアームが挙げられます。ベルトコンベアの上を流れていく部品に対して、人が手作業で組み立てをするときに適切なタイミングで部品や道具を渡してくれるロボットがいれば、人は組み立て作業に集中できます。
ロボットが人に合わせる
しかし、せっかく協働ロボットを導入しても、人がロボットに気を取られるようでは、作業効率が落ちる可能性があります。この問題を解決するためにロボットに求められるのが、人がどう動くのか予測し、先回りして行動する技術です。人がロボットに合わせるのではなく、ロボットが人に合わせることができれば、ロボットは息の合った相棒のようになれるでしょう。
この「予測」のために行われている研究が、人の動きのモデル化(数式化)です。工場で働く人の動きを計測し、「次の動作」を予測します。さらに作業者の癖などをモデルに組み込むことで、作業者に合わせてロボットを適切にコントロールできるようになります。
家庭でも協働ロボットが活躍?
また、協働ロボットが活躍する場を一般家庭にも広げようとしています。例えば食事後の片付けでは、食器洗浄機があると洗い物の手間が減るように見えますが、実際は食器をセットしたり取り出したりといった新たな作業も生まれています。これらの作業をロボットに任せて、家事の負担を減らすために作られたのが、食器をつかめる家庭用ロボットハンドです。これには、一般家庭のさまざまな形状の食器に対応したり、食器の材質に合わせた強さでつかむ計算モデルを作ったり、価格を下げるためにモーターやセンサの数を最小化したりといった工夫が施されています。
工場で使う協働ロボットは生産効率の向上を目的としていますが、家庭では人が気持ちよく過ごせるようにすることも重要です。そのために、ロボットが人に寄り添う技術の研究が進められています。
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先生情報 / 大学情報
福島大学 共生システム理工学類 准教授 衣川 潤 先生
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