自然災害から人々を守る! 発展を続ける土木技術

自然災害から人々を守る! 発展を続ける土木技術

液状化現象への対策

地震や豪雨などの自然災害が多い日本では、災害から人々を守るための土木技術の研究が進められています。そのひとつが地震による「液状化」への対策です。液状化とは、地下水が入り込んだ砂地盤が地震によって揺らされると、ゆるく積もっていた砂が水の中で浮き上がり、地面が一時的に液体のようになる現象です。その結果、建物がゆがんだり、地中に埋設されているガス管などが浮き上がったりする被害が生じます。液状化を防ぐ対策として、地盤を改良したり、土中に砂利をいれて排水する手法があります。これらの方法を改良するために、液状化しやすい土地を再現した模型を使って効果を調べたり、液状化に特化した解析ツールでシミュレーションしたりといった研究が行われています。

斜面災害への対策

また、「斜面災害対策」もそのひとつです。強固に見える山の斜面も、雨が降ると地面にしみ込んだ雨水によって浮力が生じ、土砂崩れを起こすことがあります。それを防ぐための対策として、例えば「アンカー」と呼ばれるワイヤーを斜面に埋め込んで、その周りに固化剤を流して固め、斜面の土塊が滑らないように安定させる手法などがあります。ほかにもいろいろな対策が実用化されていますが、まだまだ工夫の余地があります。斜面対策工も現地で実験することが難しいため、液状化対策と同じように模型を用いた技術改良の研究が進められており、試行錯誤を繰り返す中で、より効果的な構造が明らかになりつつあります。

自然災害の被害を減らすために

液状化対策も斜面災害対策も、対象となる区域が非常に広範囲であるため、コストを抑えることも研究における重要課題です。いかに効果的な方法であっても、コストがかかりすぎれば実用化は難しくなります。
土木の分野は、人類の歴史とともに地道に発展してきた学問です。今後もこつこつと技術改良を重ね、災害による被害を減らすことが期待されています。

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東海大学 建築都市学部 土木工学科 講師 藤原 覚太 先生

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土木工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

進路を考えるときは、「自分が好きなこと」と「自分に合っていること」は分けて考えてみましょう。その2つが重なっていれば、それに向って突き進むだけですが、2つが乖離(かいり)している場合は、バランスを取りながらやっていきましょう。一般的には、自分に「合っていること」に進み、そこで実力がついたら「好きなこと」につなげていくのがよいと思います。人生の時間はすぐたってしまうので、まずは何が好きか、合っているかを知るために、いろいろなことに挑戦し、それでわかった好きなことをしっかりやってください。

先生への質問

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