講義No.12562 児童学 教育

親子の良好な関係とは? 「子育てひろば」を発展させるために

親子の良好な関係とは? 「子育てひろば」を発展させるために

保護者と子どもが過ごす新しい場所

政府は保育施設以外にも子育て支援施設を増やそうと、政策を進めています。そのひとつが「子育てひろば」で、幼い子どもと保護者が自由に過ごすための場所です。保育施設や公共施設に併設したり、複合ビルの一角に作られたりしています。ただし子育てひろばは歴史が浅く、空間作りのポイントや実践すべき内容、効果などの研究はまだ始まったばかりです。

保護者と子どもの適切な距離感とは

子育てひろばを、子どもたちがのびのびと遊べて保護者もほっとできるような空間にするにはどうすればいいのでしょうか。支援の目標とする「良好な親子関係」の条件を探ろうと子育てひろばで行われた調査では、鍵は保護者と子どもの心理的な距離感にあることがわかってきました。
保護者は子どもが何を感じているか、どうしたいのかなどを推察して動きます。例えば子どもが泣き出したとき、心理的にほどよい距離を保っている保護者は、子どもが泣いている理由などに思いを巡らせることが可能です。しかし距離が近すぎると、保護者も感情を刺激されて冷静さを保てなくなり、子どもの行動理由まで考える余裕がなくなります。

心の余裕を生み出す

保護者と子どもの距離を適切に保つためには、保護者が心に余裕を持つことが重要だと考えられます。しかし子育て中の保護者は家にいる時間が多く、閉塞感や孤独感が強くなりがちです。また、限られた空間で自分の子どもだけと向き合っていると、距離が近くなりすぎて同一視してしまい、つらくなる場合もあります。
そこで、子育てひろばを活用することで、ほかの子どもや保護者と接し、多様な考え方を知るきっかけが生まれます。また、悩んでいるのは自分だけではない、という安心感にもつながります。結果として心に余裕が生まれ、子どもとほどよい距離を保てるようになることが期待されます。このように、どのような場所作りをすれば良好な親子関係が育まれるのかなど、子育てひろばをよりよい空間にするためにさらなる研究が求められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東海大学 児童教育学部 児童教育学科 准教授 及川 留美 先生

東海大学 児童教育学部 児童教育学科 准教授 及川 留美 先生

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メッセージ

「保育学」は子どもの成長に寄り添う、楽しさが詰まった学問です。子どもの育ちについて考えることに興味を持ってもらえるとうれしいです。もし大学で保育学を学び保育者になろうと考えているなら、高校生のうちにいろいろな体験をしておきましょう。保育者自身が経験していないことを子どもたちに伝えるのは難しいものです。どんなことでもいいので体験を豊かにし、興味を持ったことを追究してください。例えば運動や絵、音楽など、あなたが好きなことを極めておくと、保育の現場でも役立ちます。

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